BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン2話 感想

 相変わらず今回も5人そろわないものの、ドンブラザーズとなる5人全員はとりあえず今回で全員顔出し完了。イヌブラザーに変身する翼は、逃走中の指名手配犯。ジェットマンの凱はアウトローではあったものの犯罪者ではありませんでしたから、また一歩進めてきた感じですね。そして今回は変身しなかったものの、サルブラザーになる真一は金を不浄のものとして持ち歩くのを嫌う飄々とした俳人。変人は井上脚本では珍しくありませんけど、ああいう飄々としたタイプも意外と井上脚本では珍しいタイプですね。強いて言うならキバの音矢が近いですけど、あれも飄々というのとはちょっと違うような。

 

 一方、タロウの「嘘がつけない」という特徴が初めてクローズアップされることに。ヒトツ鬼となったことでどんどん若返っていく勤め先のパート従業員の女性から何度もいくつに見えるか聞かれて、そのたびに「68」と答えていましたけど、もはや別人にしか見えないレベルにまで若返った相手に対してああ言い続けたのは、単に嘘がつけないというだけでなく、見た目とか態度とかそういう上辺のところではなく、本心とか魂とか、そういう人間の根っこのところを一目で見抜く力が彼にはあるのではないかと思いました。ただ気になるのは、この「嘘をつけない」という特徴、日本の民話に見られる典型的なパターンでは、「桃太郎」ではなく「鬼」のものなんですよね…。

仮面ライダーリバイス 第26話 感想

 ぶーさんから父と母の過去について話を聞かされる一輝。一方、再び大二の体を乗っ取ろうとするカゲロウは開発中のクロウバイスタンプを狩崎から強奪し、どちらかが消滅する結果となる最後の対決を大二に挑む…。

 

 前回に引き続き、明らかになる父ちゃんの過去。父ちゃんの本名は白波純平といい、ギフの細胞を移植されて命を救われ仮面ライダーベイルとなった彼は、悪魔の軍事利用を目論んでいた政府軍の組織ノアで、研究によって生み出される失敗作の悪魔の処理をさせられていた。そんな日々の中で彼は心を病んでしまったが、そんな中出会った幸美によって救われ、ノアから脱走、五十嵐元太と名を変え新たな人生を生きることになった…。頑として働こうとしない、傍から見ればダメ親父にしか見えないあの生活ぶりも、改造され意に添わぬ汚れ仕事を長い間強制され心まで病んでしまったという過去から考えれば、その反動として当然のものだったんですね。そんな父ちゃんを絶対に否定せず甘やかす母ちゃんについてもそれは同様。その後、ノアは組織崩壊を起こしその一部がデッドマンズとなったようですが、言及こそされませんでしたけどフェニックスやウィークエンドについてもそれは同じなんでしょうね。元を糺せば同じ組織同士でこんなことになっているとなれば、それは一輝たちにとってこんなばかばかしい話もありませんが…。

 

 一方、大二とカゲロウの最期の対決。やっぱりカゲロウは、自ら望んでああいう結末に持って行ったのか、そうでなくともそうなることは確実に予期はしていたでしょうね。兄に対する負の感情から生まれたカゲロウは、大二がそれにケリをつけたことで自らが弱体化していることはわかっていたでしょうし。ただ、リバイスのライダーはみな悪魔がいなければ変身できないはずなので、カゲロウが消えたのならそれでもホーリーライブに変身できるというのはどういうことなのか…。それにしてもオルテカ、本当にただ「邪魔」「無粋」なだけの存在になり果てましたね…。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン1話 感想

 ジェットマン以来30年ぶりに井上敏樹がメインライターを務めるスーパー戦隊の新シリーズ!という、特撮ファンにとって期待と不安の渦巻く中ついに始まったドンブラザーズですが…いやぁ、どっから手を付けたらいいものか。開始早々次々と繰り出される情報の洪水に飲まれるばかりでした。どんぶらこどころか激流ですよこれは。まぁ何を置いても先に言わなければならないのは、正直なところ私は井上敏樹という男をなめていたということですね。ジェットマンシャンゼリオンはリアルタイムでは見ていませんが、アギト、555、キバ、それにゴウライガンと、彼がメインライターを務めた作品は大方見てきてそのやり口を知り尽くしたとまでは言わずとも大部分は知ったつもりになっていたのですが、その浅はかさをこの30分で思い知らされました。考えてみれば仮面ライダーには基本的にシリアスでなければならないという作劇上の枷がありましたが、それがないスーパー戦隊に彼が戻ってきた以上、こうなることは予想できたはず…いや、さすがにここまでとはどのみち予想できなかったな。

 

 しかしまぁ、こっちが理解するのを端から期待してないような感じでしたが、それでもやっぱりこれぞ井上敏樹、という要素は最初から盛り沢山でしたね。初回から全員揃わないばかりか互いが誰かも知らない戦隊、ヒーローと敵組織が一対一ではなく脳人とヒトツ鬼という二つの敵が存在する複雑なことになりそうな敵対関係、基本的にはハチャメチャだけど脳人にやられたヒトツ鬼は消える(実質的な死)というシビアな設定。主人公であるタロウとは別に、イエローであるはるかが狂言回しの役回りを果たしそうなところも、ゴウライガンと似たところを感じさせますね。まぁ一番井上敏樹を感じたのは、やたら芝居がかったセリフを言うソノイでしたが。昔だったら絶対広瀬匠さんが演じてますよあいつ。その言動に「詩人か?」と直球のツッコミを入れるのは初めてでしたけど。そしてなにより気になるのが、「五色田介人」。ゼンカイジャーの介人とは別人だと公式で明言されてる以上は別人なんでしょうけど、全くの新キャラではなくあえて「五色田介人」であることには必ず何らかの意味があるはずで、そのカギを握っているのが井上敏樹というのがほんとに怖い。まぁ、見てしまった以上は向こうの言い分によれば縁ができちまったということらしいので、また一年間見届けましょう。ただの「めでたしめでたし」で終わるわけはないんですが。

仮面ライダーリバイス 第25話 感想

 今度は合体してしまった一輝とバイスを元に戻す方法を模索する狩崎。その中で、かつて父からかけられた「過去から学ぶこと、それが未来を決めるのだ」という言葉をふと思い出し、五十嵐家の過去を調べた彼は、18年前にしあわせ湯が火事を起こしていたという事実にたどり着く。より詳しい話を聞くためにしあわせ湯に向かっていた彼はオルテカとアギレラの襲撃を受け、迎えに来た一輝たちによって助けられるが…。

 

 いやぁ、前回の予告を見た時から今回は大きく物語が動く回になるだろうとは思っていましたが、衝撃でしたね。ベイルの登場自体は予告で出ていたので知っていましたけど、まさか父ちゃんが変身者だったとは。ギフテリアンを歯牙にもかけず一蹴するその強さも衝撃的。なんとか父ちゃんが自我を取り戻したことでベイルはひとまず去っていきましたけど、気絶した彼を連れて行ったぶーさん…あんたもただ者じゃないとは思ってたけど、一体何者なんだ…。牛島家といいぶーさんといい、しあわせ湯が経営者一家だけでなく常連客まで曲者だらけの魔窟みたいに見えてきましたね。

 

 話はそれにとどまらず、さらに明かされる衝撃の事実。18年前の火事は父ちゃんに憑依したベイルが起こしたもので、さらにその時まだ幼かった一輝の前に現れ、家族を守る契約を交わしたのがバイスだった、と。今まではバイスは家族を守るという義務のための自分の夢とかを犠牲にすることで生じてきた抑圧によって一輝の心に生まれたのがバイスなんじゃないかと思っていましたが、事実は全くの逆で、バイスの方が家族を守る契約を交わしていた、というのが真相だったわけで、これは驚きましたね。当初は油断ならない奴にしか見えなかったバイスですが、ここ最近の展開でその見方がどんどん変わっていくのが面白いです。

 

 そして、話はさらに過去へと遡る。50年前に発見されたギフスタンプとギフの棺は、その活用方法が軍事目的へとかたちを変え(劇場版ではショッカーが研究していたことからも裏付けられますね)、30年前に狩崎父が悪魔を戦力化するためのバイスタンプとドライバーの開発に成功。ただし、当時のドライバーには悪魔に寿命を奪われるデメリットがあり、それを避ける方法がギフの遺伝子を体内に宿すことだった。その研究の実験台となったのが、瀕死の重傷で狩崎父のもとに運ばれてきた若き日の父ちゃんであり、ギフの細胞を心臓に移植されたことによってベイルを宿した彼は、それからしばらくの間仮面ライダーベイルとして戦っていた…。そして一輝たちが変身できたのも、ギフの遺伝子を持つ者から生まれたから…。瀕死の重傷を負った青年を手術で仮面ライダーに…そして、ライダーは悪から生まれたという出生…まるっきり昭和ライダーじゃないですか。シリーズ50周年記念作品とはいえ、こんなかたちで昭和ライダーの要素まで包括してくるとは思いませんでした。2クール目の終わりを締めくくるとばかりにこんな展開を持ってくるとは。これはますますこの先の展開に驚かされることになりそうです。

機界戦隊ゼンカイジャー 最終カイ! 感想

 「いつものように」功、美都子、ヤッちゃんと一緒に朝食をとる介人。しかし、そこに違和感を覚えた介人は、ポケットに入っていたセンタイギアを見てジュランたちのことを思い出し、こうなった原因である神に対して対話を開始する…。

 

 最後の相手は、やはり神。神曰く、こうなったのは思いつくままに世界を作っていたら増えすぎてしまい、かといって消すのももったいないと悩んでいたところ、トジルギアの存在を知り、それを利用して世界を閉じ込め記念品とするために、トジテンドに力を貸していた、とのこと。ただ、介人たちの世界だけは閉じ込めることができずキカイトピアとくっついてしまったため、どちらの世界が面白そうかをしばらく眺めた結果、介人たちの世界を残すことにしたという。何から何まで勝手きわまる、いかにも神らしい言いぐさですね。まぁ思いつきで作っていたから、カシワモチトピアみたいな世界まであったのもうなずけるのですが。

 

 造物主だからと言って好き勝手きわまる神の論理に対して当然介人は、作られた世界だろうと、それはもうそれぞれの世界に生きている人たちのものであり、それを作った神様だろうと自分の好きにしていいはずがない、と、全ての世界を取り戻すために立ち向かう。ゼンカイザーやスーパーゼンカイザーの姿で戦う神に対し、心にいるジュラン、ガオーン、マジーヌ、ブルーン、さらにはツーカイザーやステイシーザーの姿となって対抗する介人。それでも勝負はつかず、最期の決着をつける方法として介人が言い出したのは…なんとジャンケン。神も呆れてましたけど、一年間見てきた我々もさすがに呆気にとられましたね。かつてこれほどまでにハラハラした気持ちでジャンケンを見守ったことはありません。そして、グーを出した神に対し、介人が出したのは…パー。この勝利、グーが「閉じられている」「指が飛び出していない」のに対し、パーが「開かれている」「全ての指が飛び出している」、すなわち「閉塞」に対する「開放」のメタファーであるとネットで考察されていて、実に得心が行きました。勝負の結果を素直に受け止め、本心ではやはり世界を閉じ込めておきたくはなかったと吐露して世界を解放する方法を介人に教え、これまで作った世界、これから作る世界を全て大切にすることを約束して去っていく神。その方法に従って、スカイツリーの上空に隠されていた装置を破壊すると、閉じ込められていた世界は全て解放され、ジュランたちも戻ってくるのでした。

 

 こうして解放された世界間での交流が盛んになる一方、トジテンドのいなくなったキカイトピアでは新しい世界づくりが進行。キカイノイドたちとともにそれに尽力するステイシーも、いつでもカラフルに顔を出せるように。屈託のない笑顔を見せるステイシーに、この笑顔を見るためだけでも一年間見てきた甲斐はあったと思いました。もういっそのことここの子になっちまえよと何度も思ってきましたが、それを「大切な場所だからこそ息抜きのための場所のままにしておきたい」と固辞するステイシー。ほんとに最後までこの子はいい子ですね…。ゴールドツイカー一家はカッタナーとリッキーの呪いを解くことに成功し(けどフリントによっていつでもSD状態に戻ることが可能に。この娘も最後までとんでもなかった)、弱いものから略奪することをやめ、再び別の世界への旅へ。そして、介人もまた家族からの後押しもあり、別の世界を訪ねる旅へ。当然、ジュランたちも一緒に。考えてみれば、登場人物の中で一番チャレンジ精神やフロンティアスピリッツに溢れているのが介人なのに、自分や他の世界を守るため、両親を救うために自分の世界に留まって戦い続けなければならなかったわけですから、そこから解放された介人が別の世界へ旅立っていくのは至極当然で、かつこの物語のラストにふさわしいものでした。ジュランが「ゼンカイジャーってのは戦うためだけじゃなく、ぶっちゃけ介人のことが好きで集まった」というのは、これ以上なくゼンカイジャーという戦隊がどんなものかを言い表していましたね。並行世界へ旅立った介人たち。またいつか、どこかのスーパー戦隊の世界で我々は彼らと出会うことになるでしょう。

 

 さて、総評。人間1人、ロボ(?)4人の戦隊という設定を聞いた時には、いかにいろんな戦隊を見てきたとは言っても「大丈夫か?」と思わずにはいられませんでしたけど、「ワルドが出てきて世界がトンチキなことになり、それをゼンカイジャーがやはりトンチキな方法で解決する」という黄金パターンを早々に作り出し、気づいてみれば最後の数話までこのやり方で全部やり切った、という、非常にしっかりとした作りの戦隊となりましたね。黄金パターンとは言いましたけど、個々の話の内容はどれも予測不可能な展開のものばかりで、マンネリズムとは最も遠い地平のかなたにあり、「ルパパトのシャケ回を毎回やる」という放送開始前のスタッフの正気を疑う発言は伊達ではありませんでした。記念作品でありセンタイギアというアイテムを出しつつも、あくまでただのガジェットに留め、安易に過去の戦隊に頼らずにゼンカイジャーという戦隊の物語を描くことを徹底したのも高評価。そしてテーマ性を重視する戦隊らしく、キラメイジャーとはまた違ったかたちで多様性を尊重することの大切さを一貫して訴えてくれました。もちろん、このように毎回トンチキな物語が展開される中で、本来企画段階では存在しなかったキャラにもかかわらず、シリアスな部分をほぼ一手に引き受けてドラマの縦軸を回すことになったステイシーの存在について特筆すべきものであると評価しないわけにはいきません。彼の偉業は少なくとも向こう数十年は破られることはないでしょう。紛れもなくイレギュラーな怪作であると同時に、非常にしっかりとした名作。この物語もまた、これからも続いていくスーパー戦隊の歴史の中で、燦然と、しかし異彩を放つ作品として、輝き続けることでしょう。

 

 さて、来週からはこちらも別な意味でトンチキなことになりそうな暴太郎戦隊ドンブラザーズがスタート。メインライターを務めるのは、スーパー戦隊では実にジェットマン以来の登板となる井上敏樹氏。現在の心境は期待4割、不安6割といったところ。果たして一年後、私はこの戦隊に対してどういう評価を下すことになるんでしょうか。

仮面ライダーリバイス 第24話 感想

 いまだ元の状態に戻ることができない一輝。狩崎はレックスバイスタンプを使ってもとに戻る方法を考案するが、ヒロミを実験台にしたことから狩崎を信用できないバイスはそれに難色を示す。一方、オルテカはデモンズドライバーのさらなる力を引き出すため、狩崎を拉致するが…。

 

 一輝が元の体に戻ることができないことによる弊害、「シンプルに餓死する」というもので、深刻なのに笑っちゃいました。この原因になったローリングバイスタンプは、やっぱり狩崎の父だった仮面の男の手によるものでしたが、本当に何を考えているんでしょうね。デモンズドライバーを作ったのも彼であることが判明しましたが、こうなるとリベラドライバーもフェニックスが廃棄したものを拾ってきたとかではなく、狩崎父が新造したという可能性もありそうです。悪魔がそのまま出てくるリベラドライバー、体の主導権が悪魔の方に優先となるローリングバイスタンプ。どちらも積極的に悪魔を出すことが共通点に見えますが、その辺も彼の目的に関係あるのでしょうか。

 

 狩崎を信じることに難色を示すバイスを「狩崎を信じる俺を信じろ」という理屈で説得した一輝。グレンラガンみたいですね。狩崎の考案した方法で見事元に戻った一輝は、ジャックリバイスに変身してさくらとともにオルテカに反撃。バイスが変身した時と違って、スタンプで炎や雷や竜巻の絵を描くことで、自分やジャンヌの攻撃にそれに対応する属性をまとわせる、という新たな戦法を見せていましたね。自分だけでなく仲間の攻撃にも属性付与するというのは、RPGではもはや珍しくありませんが、ライダーでは初めての能力ではないでしょうか。見事オルテカを敗走に追い込んだ一輝でしたが、元に戻ったかと思いきや、変身を解除したら一輝の体の中で一輝とバイスの意識が合体して交互に人格が入れ替わるという、まさかのイマジン状態に。そんなだからバイスに疑われるんだよジョージ…。

 

 一方、逃げ帰ったオルテカはやはり狩崎がベルトに細工をしていたのかと狩崎とベルトのせいにして悔しがっていたところ、突如デモンズドライバーが「俺は俺の意思で戦うだけ」「我が家へ帰るとしよう」と、今までの片言ではなく流暢に言い残すと、その中身の悪魔らしき光が消失。以前狩崎はヒロミさんに「このベルトの持ち主は君じゃない」と言っていましたが、かといってその本来の「持ち主」がオルテカみたいな小悪党だとは思えませんね。いよいよ、その「持ち主」が誰なのか明らかになるのか…。

機界戦隊ゼンカイジャー 第48カイ! 感想

 イジルデを倒し、ついにトジテンドパレスの玉座の間へと突入してボッコワウスとの決戦に挑むゼンカイジャー。ボッコワウスを守るためにゲゲも参戦するが、そちらはセッちゃんが受けて立つ。しかしその戦いの最中、神が憑依したゲゲがボッコワウスの弱点をバラしてしまい、ボッコワウスは怒りに任せてゲゲを破壊してしまう。物語開始当初から不可解な言動をしてきたゲゲですが、結局それは全て憑依していた神によるもので、ゲゲ本人は腹に一物抱えてるとかそういうのはなにもなく、単にボッコワウスに懐いていた鳥ロボットだった、ということなんでしょうね。それが結局ボッコワウスに破壊されてしまうとは、なんとも気の毒…。ついでにいうなら、セッちゃんと見た目が似てることにもなにか秘密があるのかと思っていたのですが、これも結局単なる他人の空似だったということでしょうか…。

 

 残った全てのトジルギアに加え、破壊したゲゲのパーツをも取り込んで、真の姿となったボッコワウスは、スーパー戦隊の必殺技を繰り出してゼンカイジャーを圧倒。特に「トジテンドハリケーン 家族」で、ヤッちゃんと介人の両親が飛び出してきてパンチを見舞っていく様には、大ピンチだというのに大笑いしてしまいました。いや、確かにゴレンジャーハリケーンってそういう技なんですけど…。変身用のギアも壊されてしまい、絶体絶命のゼンカイジャー。しかし、それでも諦めずにボッコワウスに立ち向かっていく彼らの姿に、トジルギアに封じられていたスーパー戦隊の世界が答え、力を貸してくれたことで再び変身可能に。そして力を合わせて弱点を突くことで、ついにボッコワウスを撃破するのでした。しかしボッコワウスも、救いようのない暴君ではありましたが、愛鳥に憑依していた神によって掌で踊らされていたどころか、神の存在さえ知らぬまま倒されるとは、それはそれで哀れでしたね。

 

 一方、バラシタラ相手にピンチに陥っていたゾックスとステイシーも奮起。奪うだけがお宝じゃない、元からあるもの、いつのまにか増えていたもの、守りたいものもまたお宝じゃない。そのことに気づき、大切なものを守るために戦うゾックス。「ヒーローの皮をかぶった海賊」と言われていたゾックスですが、最終回一話前でようやく、海賊戦隊の先輩であるゴーカイジャーと同じ「海賊の皮をかぶったヒーロー」になれましたね。ステイシーもまた、復讐ではなくこれからの自分が生きる場所を守るためにバラシタラと戦うと決意を叫ぶ。こちらも、過去ばかり向いて生きてきたステイシーが、ようやく明日へ目を向けて生きることを決意した、素晴らしいシーンでしたね。2人の息の合った連携攻撃の前に、ついにバラシタラも撃破。ゼンカイジャーの5人が最初からキャラクターとして完成されていたこともあって、こういう成長を描くという側面はゾックスやステイシーにゆだねられたと感じてきましたが、今回でそれが結実したように思えました。

 

 バラシタラ、そしてボッコワウスが倒されたことで、ついにすべての世界が解放された。功博士もスシトピアにいた美都子博士とともにカラフルに戻ってくる。スシトピア…ワルドの順番から言うとずいぶん最初の方に解放された世界にいたんですね。中の人が以前世界のいろんな国の人の格好で接客する多国籍料理店を経営してたこともあって、寿司屋の格好が全く違和感がありませんでしたね。しかしそれもつかの間、介人に憑依した神はトジテンドに残された装置を使って、再びすべての世界をトジルギアに閉じ込めてしまう。やっぱりこの神、碌な奴じゃなかった…。次回、いよいよ最終カイ!!