BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーリバイス 第30話 感想

 バイスの中の人、いまや日本で最も忙しい声優と言ってもいい木村昴氏登場。さらにこれまでもちょくちょく特撮作品に顔出し出演していた神谷・鈴村両氏の仮面ラジレンジャーコンビも登場。ただ、空気階段の回もそうでしたがスペシャルゲストが出てもそれに頼らずきっちり話も進めるのがリバイスの偉いところ。赤石長官人間じゃない疑惑はまぁそれぐらいはあるだろうなとは思いましたが、さくらがウィークエンドの制服を纏うのと同時に、アギレラが赤いドレスを燃やすというのは、つくづくこの二人は対照的に描かれていますね。そして幻覚に囚われた一輝は、何を見るのか…。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン5話 感想

 今日も今日とて警察に追われる翼。追い詰められたところでたまたまタロウを訪ねようとシロクマ宅急便にやってきていたはるかを人質にとって立てこもるが、その後なんやかやでタロウ、つよし、真一もやってきて、図らずもドンブラザーズの5人がそろってしまうが…。

 

 とうとうドンブラザーズの5人が一堂に会す回…でしたが、結局現時点では互いが戦士であることを知ることなく終わり。まぁそこはそんなにすんなり行かせる井上脚本なわけがないことはわかっているので、意外でも何でもありませんけど。どちらかというと、人質にされるという普通ならピンチ以外の何物でもない状況さえマンガのネタにしようとする、ジョジョの岸部露伴みたいなはるかのメンタルのヤバさが意外でした。こんな根性があるんだったら、このままマンガ描き続けてるだけでも自力で盗作疑惑の汚名を払拭して余りある傑作を書き上げるんじゃないでしょうか、この娘。まぁそれにしても、5人が揃うという条件に加え、つよしが持ってきたケーキ、翼が今日誕生日だったということ、そしてタロウが抱えていた誕生日の苦い思い出という条件がそろって、みんなで誕生日を祝うという展開に持っていくのは、さすがはベテランの腕と言わせる見事さがありました。ただ、その会話の中で出てきた、翼が逃げる理由と密接に関わっているらしい、彼が愛したという「夏美」という女性…その顔を見て「あっ…(察し)」となりました。番組放送開始前、他のメンバーは何かが欠けているか何かを失っているのに対し、つよしだけ「まだ何も失っていない」と紹介されていた、その「まだ」の意味がようやくわかりました。この番組の脚本を書いているのはあの井上敏樹。女絡みの爆弾を脚本に仕込まないわけがないとは思っていましたが、今回はまさかこんなかたちで仕込んでくるとは。こっちはこれからこの爆弾がいつ爆発するかヒヤヒヤしながら見続けなければなりません。ほんと、なんてえぐいことしやがる…。

仮面ライダーリバイス 第29話 感想

 生きていたことがわかったヒロミさん。しかし、一輝と大二が実際に会ってみると、彼はこれまでの記憶を失っていた。というわけで、彼の記憶を取り戻させるためにこれまでの戦いを振り返る思い出ムービーを作ろう、という体の総集編。ブルーレイの映像特典とうまいことつなげてきましたが、戦いの果てにあれだけ身も心もボロボロになったんだから、無理に思い出させないでしばらく実家でのんびりさせてやれよ…というのが正直なところですけど。

 

 まぁ繰り返すようですが総集編なので新しい展開はあんまりなし。ヒロミさんを実験台にしていたことについて改めて頭を下げる狩崎、やっぱりライダーのマッドサイエンティスト枠の中では聖人と言ってもいいぐらいですね。そもそもヒロミさんのことをどうでもいいと思ってたらこんなビデオ撮ろうとか言い出さないですし。ただ、イクササイズならぬカリササイズの無駄に締まった肉体と無駄にキレのいい動きと無駄にいい笑顔にはなぜだか無性に腹が立ちましたけど。一方、家族写真から一輝の姿だけが消える例の謎の現象を、今度は狩崎も目撃。これまで何度も描かれてきましたけど、何がトリガーとなって発生してるのか、何を意味するのか、いまだに予想もつきませんねこれ…。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン4話 感想

 相変わらずいろんなことがわからないまま話が続いていますが、それでも今回は桃井タロウの性格や過去の一端が明らかになりましたね。子供の頃からどんなことでもできて、なおかつ他人のために尽くすことが大好きだったが、それが行き過ぎたせいで逆に他人から嫌われ、自分の周りから誰もいなくなってしまった過去を持つ…。目が合っただけで「縁ができた」と言ってぐいぐい迫ってくるため「妖怪縁結び」とか公式にまで言われているタロウですが、この奇行もまた、その過去がトラウマとなって自分と他人を必死につなぎとめようとしているのかもしれない、と思いました。これってなんだか、同じ井上脚本の主人公でも、オルフェノクであるがゆえに他人を傷つけることを恐れ、積極的に人と関わり合おうとしなかったファイズの乾巧のアンチテーゼみたいです。

 

 まぁ一言で言ってしまえば、融通が利かないのでしょうね。たいていの人間は向上の意欲を持っていますけど、向上のためには才能が必要なところもあり、努力や時間といったコストを支払う必要もある。どこまで向上したいかは、そういった個々人の事情によって決められるものであって、例えば「料理」という行為ひとつとっても、自分の食事を賄えることができればそれでいいという人もいれば、プロのシェフとなって三ツ星を取ることを目指す人もいる。タロウのやっていることは、そういった個々人の事情を無視して、自分の食事さえ賄えればよい人にそれではダメだとプロの料理人レベルになることを強要するようなものですから、これでは嫌われても当然です。それぞれの人間がそれぞれであるという多様性をあれだけ尊重したゼンカイジャーの次の作品で、自分の求めるレベルを他人に強要する奴を主人公に据えてくるって、相変わらずとんでもなく度胸がありますね、井上氏は。まぁ今回のラストを見る限り、タロウも自分のその欠点には無自覚ではなく彼なりに傷ついてはいるようなので、わかってはいるけれどどこまで他人のために干渉すべきか、そのラインを見極めることができずにいる、といったところでしょうか。嘘がつけないことといい、他人とのコミュニケーション面においていくつも欠落を抱えていそうなタロウですが、この先それは改善されていくのでしょうか。

仮面ライダーリバイス 第28話 感想

 ギフの影響に飲まれ暴走を続けるジャックリバイス。その暴走を止めるため、サンダーゲイルバイスタンプを携えやってきた狩崎は、自らデモンズに変身しジャックリバイスの動きを止めようとするが…。

 

 狩崎、ついに変身。この人は最後まで変身はしないんじゃないかと思っていたので、結構意外でした。変身ポーズがクウガと同じだったのはさすが。しかし、ベイルが抜けている今のデモンズドライバーは悪魔のいない空っぽの状態のはず。カゲロウが消えたはずなのに大二が変身できることといい、そのへんの原理はどうなっているんでしょうね。

 

 サンダーゲイルバイスタンプを押されたジャックリバイスは活動を停止。そのあいだに近づいてきたアギレラが、自分と一つとなるかどうかはっきりしろとギフに迫ると、ギフはにゅっと手を伸ばしてアギレラにビンタ。悪魔の親玉にしては女の振り方が割とソフトですねギフ様…。一方、活動を停止したジャックリバイスの一輝の意識の中では、一輝が一輝自身に憑依したバイスと文字通り自分との戦いを繰り広げることに。しかし、一輝がバイスに今まで自分を守ってくれたことへの感謝と、これからは自分がバイスを守ることの決意を告げると、ジャックリバイスは再び動き出し、サンダーゲイルバイスタンプを使って一輝とバイスが完全に一体化した仮面ライダーバイスへと変身。変身ポーズが1号と2号のものを組み合わせたものなのがかっこいいですね。その圧倒的な力で、オルテカが変身したデッドマンを撃破するリバイス。その後、オルテカはギフに取り込まれ消滅。こんな最期だろうとは予想していましたが、最期に脳裏に浮かんだのが、オルテカやフリオと共にいた、自らの手で壊した時間の思い出だったというのが、結局はあいつも寂しい人間だったのだなと思いました。

 

 戦いののち、ウィークエンドで父と再会し、彼から共闘の申し出を受けるも、何も答えずに去っていく狩崎。この父子、今までのライダーに出てきたような憎み合うだけの関係とはやはり違うようですね。それだけに、過去にこの父子のあいだに何があったのかが気になります。棺を破り消えたギフ。ギフに捨てられ茫然自失のまま去ったアギレラ。白波純平としての記憶を取り戻し身を隠すことにした元太。ウィークエンドに加入する決意を固めたさくら。フェニックスに残り組織の闇を暴く決意を固めた大二。そして、父が戻るまで家族の帰る場所であるしあわせ湯をこれまで通り守る一輝。それぞれに転機が訪れたところで、物語は折り返し地点を過ぎたということでしょうか。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン3話 感想

 サルブラザーこと真一が本格登場。宅配便を装い家から照明器具を盗んでいく連続窃盗犯「クロクマ」を追うタロウとはるかに助言することに。タロウがすぐ近くにいるのに気づかないはるかのすれ違い展開、ファイズやキバとかではかなり長いこと引っ張りましたが、今度も引っ張るかと思いきや今回であっさりとそこを終わらせてしまうとは、ちょっと予想外でした。まぁ井上氏はこういうのをどこまで引っ張るかの塩梅は十分心得ているはずなので、彼がもう十分だと判断したということはそれで正解なんでしょうけど。幸せな家庭をねたみ、その幸せの象徴である照明を全て盗もうという迂遠なことをする犯人というのも、いかにも井上脚本に出てきそう。新たに登場した3人目の脳人・ソノニも、これまたいかにも井上脚本に出てきそうな面倒くさい性格の敵女幹部という感じがプンプンします。今のところ、初めて見るはずなのになんか井上脚本で見たことある、という感じの要素ばかりのような気がしますが、3話目にしてもなお、スーパー戦隊の定型的な流れに落ち着く気配は微塵もありませんね。

仮面ライダーリバイス 第27話 感想

 ホーリーライブとなった大二はオルテカのデモンズを一蹴。しかし「悪魔を倒すほどギフの復活が近づく」というベイルの言葉通り、一輝の中のバイスが暴走してしまう…。

 

 ウィークエンドがさくら以外にもその存在を明らかにしたり、オルテカの過去が判明したり、ギフの棺がやたら元気よく触手を伸ばして人間をパクパクしたり、いろいろ起きてる割には実質的な話の進展はあんまりない話。正直、ギフの覚醒が近づいてバイスが暴走する展開もこれ以上続けると飽きてきそうなので、そろそろギフがすっぱりと覚醒するか、それか狩崎が開発した新たなスタンプでなんとかするか、そろそろ変化が欲しいところです。オルテカの過去…天才児だったけど、それをあんまり正直に出したので、周囲の大人から愛情や行為を向けられなかったからこうなったと。まぁ確かに頭はよかったのでしょうけど、頭の良すぎる子供は大人に嫌われるということを予期して、「能ある鷹は爪を隠す」の言葉のように普通の子供を装うことができるほどには賢くはなかったというわけで、そういうところが今のオルテカの限界につながってるような感じがしますね。それにしても、前回パワーアップしたばかりだというのに、敵ライダーや怪人どころか、フワフワ浮いて触手をブンブンさせてるだけのギフに苦戦を強いられるとは、ライブは相変わらず2号ライダーの割には扱いが不遇ですね。