BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

王様戦隊キングオージャー 第49話

 急襲をかけてきたダグデドによってチキューの各王国は壊滅状態に陥り、王様たちもギラを除き倒れてしまった。なおもダグデドに戦いを挑もうとするギラだったが、その目の前で民たちを乗せたはずのコーカサスカブト城が墜落し、絶望の淵に立たされる。だがそのとき、ギラもダグデドも予想だにしなかったことが起こり…。

 

 3話連続最終回、2話目。前回のラストで民たちが王への反逆を決め、デズナラクが援軍として現れただけでも既にボルテージは最高潮でしたが、今回はもはや全てがクライマックス状態。ラクレスに率いられ、王の意志に反逆し戦場にはせ参じる6王国の国民たち。今や彼ら一人一人が邪悪の王。一番最初に現れヒメノを助けるのが側近であるセバスチャンではなく、かつて彼女に救われ「わがまま」を教えられたエッダだったのが特によかったですね。そしてダグデドもまた無数の再生怪ジームやシュゴッドを召喚し、壊滅した王国を舞台に幕を開ける大軍同士の最終決戦。やがて国民たちの戦闘経験者の少なさと、ダグデドがさらに再生五道化を召喚したことで戦いはギラたちの劣勢に傾いていく。だがその時、さらなる予想外の援軍が。デボニカを皮切りに、彼女の開いたハーカバーカとの扉から援軍として現れる死者たち。ジェラミーを守り敵を蹴散らすネフィラ。負傷者の治療に当たるディード、ナタリー夫妻。ドゥーガと並び立ち「王の双剣」としてラクレスとともに兵たちを鼓舞するボシマール。カグラギとリタからオージャカリバーを借りて王鎧武装し敵を討つイロキとカーラス。そしてギラを起こし、厳しくも優しさの溢れる言葉で叱咤するデズナラク。そしてついにはシュゴッダム初代国王・ライニオールまでが現れ、戦場の敵を一掃しダグデドめがけて斬りかかる。そのあいだにも戦えぬ者たちはケガ人の治療、「永遠の命」の代用品開発、食事の用意と、それぞれのできることで戦場を支えていく。戦場のただなかでコガネたちの用意したおにぎりをほおばり、セバスチャンの披露するドジョウ掬いに大笑いする場違いに陽気な王たちの姿に、イライラを募らせていくダグデド。やがてハーカバーカとの扉を開いていられる限界が訪れ、死者たちは次々と姿を消していくが、そのときには既に王たちは再び戦えるまでに回復を遂げていた。苛立ちを爆発せるダグデドに対しギラはいつものように不敵に笑い、ダグデドに刃を向けて正真正銘最後の決戦を挑む…!!

 

 いやぁ、さんざん言われ尽くした言い回しですが、こんなエンドゲーム並みのスペクタクルをニチアサで見られるとは思いませんでした。さらに前回のデズナラクどころか、デボニカが呼び出すかたちでこれまでの死者が総登場する大盤振る舞いとは、贅沢すぎてこんなの予想できるわけがありません。今の日本で戦隊やライダーがもつ「1年間続く連続ドラマ」という強みを最大限に生かし、1年かけてやってきた人物と物語の積み重ねの結果をこれほどまでに見事に、豪華に爆発させたのは、長年スーパー戦隊を見続けてきて初めての経験です。やってることを一言で言ってしまえば王たちが復活するまでの時間稼ぎなのですが、やり方が豪華すぎて放送の間中声をあげ続けでした。全てのお膳立てはこれいじょうないかたちで整いました。残すはダグデドを討ち、宇宙を救うのみ!!

王様戦隊キングオージャー 第48話

 巨敵グローディをも撃破し、五道化はカメジムを残すとはいえ、いよいよダグデドとの最終決戦を目前に控えることになったギラたち。既にダグデドを倒す算段として、6つの王の証の力を利用した「超絶怒涛究極完全体キングオージャー」の計画は立てられていたが、グローディを倒すために王の証の力の一つである永遠の命を使ってしまっていたため、その代用品を立てることが急務となっていた。だがそこへ突然ダグデドが襲来するという、最も恐れていた事態が起き…。

 

 最終回までの3話はその3話全体で一つの最終回となる。事前に公式からそうアナウンスはされていましたが、その1話目はのっけからとんでもない大ピンチから始まりましたね。ダグデドがいつでもどこでも現れることはわかっていましたが、この期に及んでまでとは。ラスボスなんだから準備万端整えた王様たちの渾身の一手を真正面から受け止めるのが礼儀というものなのに、本当にわかってませんねこいつは…。

 

 ダグデドとの死闘の中、超絶怒涛究極完全体キングオージャーの完成は間に合わないと判断した王様たちは、次善の策である「避難計画ゼロ」を発動。それに従い側近と民たちは神の怒りの時と同様避難をするも、今度の避難場所はバグナラクではなく、さらに何か事情を知っているラクレスもキングコーカサスカブトやシュゴッドに乗り込むように言うだけ。納得がいかない側近たちが、避難完了まで開けないように厳命され託されていたバッグを開けると、なんとその中にはそれぞれの王の証が。さらにホログラムの映像が流れ、この避難の目的は別の惑星へと移り住み、再び時間をかけてでもダグデドを討つ機会を待つ、というものであることが明らかに。これでいいのかと問われたラクレスの「いいわけないだろう!!」という叫びに、これまであらゆる艱難辛苦に耐えてきた彼をもってしても、こればかりは耐え切れぬほどに苦渋の決断であったことがにじみ出ていましたね。しかし、側近たちはチキューの未来を切り開けるのは王様戦隊を置いて他にないと、あえてその意に反し反逆の意志を示すことに。

 

 しかし、そんな王たちの計画すらダグデドにはお見通しであり、ゴローゲに化けて一行に紛れ込んでいたカメジムが彼らを皆殺しにしようとする(本物が現れて声のデカさでどちらが本物か看破されたのには笑いました。これまでさんざん事態をかき回してきたあいつの声のデカさが身を助けるとは、世の中なにがよく働くかわからない)。しかしその時、突然「死者の国から迎えに来たぞ、下等生物!」という声とともに、誰もが予期していなかった援軍が。そう、死の国ハーカバーカとの扉が開き、デズナラク8世がやってきたのです。誰もが予想していなかった、しかし誰よりも心強い援軍の登場に、こちらのテンションは爆上がりで思わず声が出てしまいました。3話連続最終回の1話目からこの盛り上がりでは、この先どうなってしまうんでしょうか。

仮面ライダーガッチャード 第22・23話感想

 蓮華の様子がおかしいことに気づき宝太郎たちが彼女を尾行すると、そこには蓮華をはじめ大勢の老若男女に囲まれてモテモテの謎の青年の姿が。青年の正体はなんとケミーの一体であるズキュンパイア。みんなを救うと豪語するズキュンパイアだが、彼には人間のエネルギーを吸収し自らのパワーに変えるという厄介な特性があり…。

 

 これまでのケミーとは異なり、格好はともかく見た目は人間にしか見えないケミー、ズキュンパイア。ケミーカードに描かれたイラストも女性向けスマホゲームにでも出てきそうな見た目で、改めてケミーとは何なのかと頭を抱えたくなりますね。若い女性はもちろんのことじいさんに至るまで魅了し、分け隔てなく愛情を傾けるズキュンパイア。間違いなくその気持ちは善意100%のものなのですが、彼自身が気づいていない特性のせいで命の危機すら危ぶまれるという今回の脚本を手掛けたのは井上亜樹子氏。シリアスさとトンチキさが変な具合にまじりあってるところが、まさに井上脚本の遺伝子という感じですね。

 

 今回からマジェードの新フォーム、ムーンケルベロスが登場。もともとサンユニコーンでも華麗な体術を見せていましたが、ムーンケルベロスはさらなる打撃特化という感じで、格闘戦を得意とするクロトーが変身したマルガムに対しても有利に戦闘を展開。さらに宝太郎の仲間となったズキュンパイアは、マルガムの中のケミーを魅了してマルガムの動きを封じるという能力を発揮。これさえあればほとんどのマルガムは楽勝なんじゃないかというぐらい便利すぎる能力で、今後出番がなくなりそうなのが早くも心配…。

 

 あとスパナ、ズッキュンとかいうトンチキなワードを聞いてギャグ落ちの危機を感じたのか、途中で逃げやがりましたね…。どうせお前もいずれはマコト兄ちゃんやゲイツみたいなオモシロキャラになるだろうに、無駄な抵抗を…。

王様戦隊キングオージャー 第47話

 ジェラミーの永遠の命を移植され覚醒し、再び「神の怒り」を引き起こすグローディ。だが、それを想定していなかった王様たちではなかった。一人の死者も出さないことを目標とした、六王国の総力を結集した一大避難計画が開始される…。

 

 前回グローディに永遠の命を移植したものの倒すどころかむしろ元気になってしまってどうすんの、と思いましたが、当然その場合のことを想定していなかった王様たちではありませんでした。考えてみればグローディが神の怒りを起こした張本人であることが判明した時点で、再び神の怒りを起こされた場合を想定して対策を打っておくのは当然のことでしたね。各国がそれぞれの得意分野を生かし連携して避難を進めていきましたが、その中でもやはりバグナラクがチキューの王国の仲間入りを果たしていなければ、五王国だけではこの避難計画は成立しなかったというのが大きいですね。これまでに積み重ねてきたことの全てが、この避難計画に結実したというのが感慨深いです。しかし、1部と2部の間にカグラギが投獄される理由となった耕運機「ありぢごく」がまさかここへ来て登場するとは思いませんでした。地上から地下のバグナラクまでをつなぐ穴を一気に開けることができる、しかもンコソパでは城まるごとを地下に沈めるって、もう耕運機と言うより戦略兵器の類と言われても仕方ないもので、そりゃこんなもの作ったら牢屋に入れられるのも当然です。これで天上天下唯我独尊、ありぢごくが図らずも役に立ったわけで、こうなるとあとはヒメノの投獄の理由となった100メガトン花火の登場にも当然期待してしまいますね。

 

 予定通り国民たちの避難を完了させ、あとはグローディを止めるのみ。ラクレスも加えゴッドキングオージャーを召喚した王様戦隊は、空を覆うセミシュゴッドの大群を一気に殲滅。続けて巨大化したグローディに対しても、彼が理解しようとしない命の力をまざまざと見せつけ圧倒し、ついにグローディを撃破するのでした。命を与えられ既に不死身ではなくなっていたグローディは望み通り死ぬことに成功しましたが、たどり着いた死者の国ハーカーバーカで彼を待っていたのは思い描いていた静寂ではなく、死者たちの終わりなき怨嗟の声だった…。ただグローディを倒すだけでは勝ち逃げになってしまうので、こうしてしっかりと引導を渡してくれたのはすっきりしましたね。しかも今年のVS戦隊では、もっとうるさい奴らがハーカバーカにやってくるのが確定していますし…。

 

 目標通り死者ゼロで避難計画を完遂し、グローディとの決着も果たした王様戦隊。いよいよ残すは、ダグデドとの決戦のみ…!

仮面ライダーガッチャード 第21話感想

 グリオンによって内なる黒い炎を目覚めさせられ、マルガムとなってしまったスパナ。彼を救うため宝太郎たちは鏡花に協力してドライバーを完成させるが、そこへエンジェルマルガムと冥黒の三姉妹が現れ、さらにスパナの前にはミナトが立ちふさがる…。

 

 スパナ、ついにライダーとして覚醒す。まぁそれ自体は予想通りでしたが、そこに至るまでの敵側の動きの方が意外でむしろ面白かったですね。グリオンに対して反感を抱いている描写はあったラケシスですが、こんなに早くアトロポスとクロトーに謀反を促すとは思いませんでした。そして薄々、「あれ? もしかして洗脳されてないんじゃないか?」という疑惑を感じていたミナト先生ですが、今回でもう確定ですね。鏡花を殺したと嘘をつき、ドレッドに変身して容赦なくスパナを攻撃しながら「このままだと醜いバケモノに成り果てるだけだ」と厳しいながらもそこからの奮起を促す意図がうかがえる言葉。これはもう間違いなく、洗脳されたように見せかけてこれまではできなかったスパルタ教育を教え子たちに施してるじゃないですか。おそらくはグリオンに対抗するにはこうでもして宝太郎たちの成長を促さなければならないという判断からこうしているのでしょうが、果たしてグリオンの目は欺けているのかどうか…。

王様戦隊キングオージャー 第46話

 イシャバーナに襲来したグローディ。ヒメノは自らの王の証の力である「どんな生命をも刈り取る力」をグローディに使うも、グローディは一度倒れた後再び起き上がって姿を消してしまった。不死身のグローディを倒すことができなければ、同じく不死身のダグデドを倒すこともできない。グローディを倒す算段を計画する中、ジェラミーはラクレスから彼に託された王の証の力を知る…。

 

 いよいよヒメノだけでなく他の王たちにとっても因縁の敵であるグローディとの決着迫る。ヒメノの王の証の力が問答無用で相手に死を与える能力とは、本当に王の証の力というのは王たち自身が望まぬ力でしたね。そしてジェラミーの王の証の力は、「永遠の命」だった。彼が2000年間姿が変わらなかったのはバグナラクの血が流れているからだと勝手に思っていましたが、考えてみればデズナラクが8世だったのはつまりバグナラクも人間よりは長生きでも2000年の間にそれだけ代替わりしてきたということで、これは完全に騙されましたね。そしてその永遠の命の力があれば、不老不死や死者の蘇生すら不可能ではないかもしれないという、いわば医療は生命に対してどこまで踏み込んでいいかというところまで議論を及ばせるヒメノとジェラミー。この番組の奥の深さは、本当に留まるところを知りませんね…。

 

 そしてとうとう明かされる、グローディの不死性の正体。なんとグローディはダグデドによって大量のシュゴッドソウルを喰わされ自我を失い殺戮の道具として仕立て上げられた存在であり、さらに言えば既に死んでおりグローディ自身の能力によって動かされている生きた屍である、と。既に死んでいるのであれば、殺すことができないのも道理です。カタツムリに寄生して生きたゾンビにする寄生虫ロイコクロリディウムがモチーフであるグローディ自身が生きた屍だったとは皮肉な話です。さらに言えば、大量のシュゴッドソウルを喰わされ殺戮の道具に仕立てるというのは、コーサス王がギラに対して当初行おうとしていたことであり、計画通りに進んでいればギラもまたグローディのような存在になっていたかもしれないというのは背筋の寒くなる話です。グローディの正体を看破したヒメノとジェラミーは、ヒメノの力でジェラミーの永遠の命をグローディに移植するという秘策を敢行。それはうまくいったものの、グローディは今まで以上に力を増してしまい、大量のセミシュゴッドが空を覆う「神の怒り」の再来とも呼ぶべき危機が訪れる。なんだかグローディを調子づかせただけのようですが、ここからちゃんとグローディを倒すことはできるのでしょうか。

仮面ライダーガッチャード 第20話感想

 製作中のドライバーを完成させるために宝太郎とりんねに協力を求めにやってきた鏡花。そこにスパナから「両親が帰ってきた」という連絡が届くが、スパナの両親は10年前にグリオンによって殺されていた…。

 

 りんねが再びマジェードに変身する力を取り戻し、続いてスパナも仮面ライダーになるか…と思いきや、話はそう簡単には進まず。りんねの父に裏切り者の汚名を着せ、スパナの両親を殺してるって、話が進むほどレギュラーメンバーとグリオンとの因縁が深まっていきますね。しかも蘇った両親というのが偽者とかではなく本物の両親を蘇らせておいて再びスパナの目の前で殺して見せるって、近年の悪役でもなかなか見ないド外道ぶりを見せてくれますねグリオン。そんなグリオンの外道ぶりを目の当たりにしたミナト先生の反応…最近それっぽいそぶりを見せてましたけど、もしかして洗脳されてるフリしてません? 仮面ライダーになる前にこれまでのすかしたキャラを全部はぎ取って裸にしてやろうというばかりのスパナに対する徹底した尊厳破壊でしたが、果たしてスパナは仮面ライダーになることができるのでしょうか。