BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

王様戦隊キングオージャー 第46話

 イシャバーナに襲来したグローディ。ヒメノは自らの王の証の力である「どんな生命をも刈り取る力」をグローディに使うも、グローディは一度倒れた後再び起き上がって姿を消してしまった。不死身のグローディを倒すことができなければ、同じく不死身のダグデドを倒すこともできない。グローディを倒す算段を計画する中、ジェラミーはラクレスから彼に託された王の証の力を知る…。

 

 いよいよヒメノだけでなく他の王たちにとっても因縁の敵であるグローディとの決着迫る。ヒメノの王の証の力が問答無用で相手に死を与える能力とは、本当に王の証の力というのは王たち自身が望まぬ力でしたね。そしてジェラミーの王の証の力は、「永遠の命」だった。彼が2000年間姿が変わらなかったのはバグナラクの血が流れているからだと勝手に思っていましたが、考えてみればデズナラクが8世だったのはつまりバグナラクも人間よりは長生きでも2000年の間にそれだけ代替わりしてきたということで、これは完全に騙されましたね。そしてその永遠の命の力があれば、不老不死や死者の蘇生すら不可能ではないかもしれないという、いわば医療は生命に対してどこまで踏み込んでいいかというところまで議論を及ばせるヒメノとジェラミー。この番組の奥の深さは、本当に留まるところを知りませんね…。

 

 そしてとうとう明かされる、グローディの不死性の正体。なんとグローディはダグデドによって大量のシュゴッドソウルを喰わされ自我を失い殺戮の道具として仕立て上げられた存在であり、さらに言えば既に死んでおりグローディ自身の能力によって動かされている生きた屍である、と。既に死んでいるのであれば、殺すことができないのも道理です。カタツムリに寄生して生きたゾンビにする寄生虫ロイコクロリディウムがモチーフであるグローディ自身が生きた屍だったとは皮肉な話です。さらに言えば、大量のシュゴッドソウルを喰わされ殺戮の道具に仕立てるというのは、コーサス王がギラに対して当初行おうとしていたことであり、計画通りに進んでいればギラもまたグローディのような存在になっていたかもしれないというのは背筋の寒くなる話です。グローディの正体を看破したヒメノとジェラミーは、ヒメノの力でジェラミーの永遠の命をグローディに移植するという秘策を敢行。それはうまくいったものの、グローディは今まで以上に力を増してしまい、大量のセミシュゴッドが空を覆う「神の怒り」の再来とも呼ぶべき危機が訪れる。なんだかグローディを調子づかせただけのようですが、ここからちゃんとグローディを倒すことはできるのでしょうか。