BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

王様戦隊キングオージャー 第43話

 一命はとりとめたものの、大罪を犯したものとして裁判にかけられたラクレス。彼の口から語られる「人類の絶望の歴史」として、前回に引き続きラクレスの過去を回想する回。前回は17年前の「神の怒り」の際にダグデドを倒すと決意してから現在に至るまでの、我々の見てきた物語の裏側を振り返る話でしたが今回はさらにその前、我々の全く知らない過去についての回想。

 

 そもそもダグデドへの反逆を企て実行に移したのはラクレスが初めてではなく、最初にそれを実行に移したのは彼の父である先代のシュゴッダム国王、コーサス王。ダグデドに協力するという名目で滅びの力を持つギラを授かったコーサス王は、ラクレスに命じて彼にゴッドクワガタのシュゴッドソウルを食べさせた。つまりそれが「レインボージュルリラ」の正体…というのは、ギラだけがクワゴンはじめシュゴッドたちと意思疎通できる事実からだいぶ前から視聴者の予測していたところでしたが、コーサス王の計画ではさらに他のシュゴッドたちのソウルも食べさせてやがては対ダグデド用の兵器として仕立て上げる、というつもりだったというところまでは予想できませんでした。その非情な決断にラクレスは反発したわけですが、コーサス王自身も内心ではそれに対して罪の意識を感じており、ラクレスの弟に対する不器用な愛は父譲りなのだなと思いますね。しかし、王の計画はカメジムによって露見。ボシマールがカメジムに殺されなりすまされたのはこの時でしたが、それだと以前ギラがラクレスの弟と判明した時に初めて知った事実のように驚いていたのがおかしいような…。王の計画を見抜いたうえでそのままギラを始末もせずに放っておいたのも不可解ですが、ダグデドのことですから放置しても問題ないと舐め腐っていたのか、のちのち玩具として利用できると考えていたかというところでしょう。そしてコーサス王の反逆に対する見せしめとして引き起こされたのが「神の怒り」であり、大勢の民を見殺しにせざるを得ない無念さを抱えながらも、ラクレスは自ら汚名を被ってでも父の志を受け継ぐ決意を固めた、と…。

 

 そんなラクレスの独白の途中、シュゴッダムにミノンガンが出現。民たちが赤ん坊に若返ったり老人になったりと年齢をめちゃくちゃに操作される中、駆けつけた王様戦隊も10歳の年齢に強制的に若返らされる羽目に…ですが、どう見ても10歳に戻ったとは思えないいつも通りのガタイのままの奴が一人。お前のような10歳児がいるかカグラギ。ともあれこの術はミノンガンに一太刀浴びせれば解けるようなイージーなものだったのであっという間に元通りになったのですが、王様たちがミノンガンに必殺技を叩き込むとミノンガンの体が裂け、なんとその中からダグデドが復活。予想の範囲内ではありましたが、ミノンガンの秘密というのはダグデドの再生装置のような機能を有しているということだったのですね。まるでミストバーン…声はハドラーなのに。まぁこの手の奴はシャリバンの魔王サイコとサイコラーのように、同時に倒してしまえば大丈夫というのが定番なので、おそらくダグデドもそんな感じだとは思いますが。こうしてダグデドいまだ健在という事態もあり、裁判の結果、「王様戦隊の道具になれ」という判決を受け、自らの意思で引き続き民を救うため自らの全てを捧げることを誓うラクレスと、その手を取るギラ。この兄弟の手を取り合う様は、まるで一枚の絵のように美しかったですね。