BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の新ウルトラマン列伝

 ギンガ劇場スペシャルで妙に愛嬌のあるキモカワ系宇宙人として登場したイカルス星人が初登場したエピソード、「ウルトラセブン」の「怪しい隣人」。

 40年以上前の作品にあれこれツッコミを入れるのは野暮かもしれませんが、それにしてもこの話はツッコミをいれざるを得ないところが満載で困りますね。のっけから足をけがして動けないから暇だとはいえ隣の家を監視するアキラ少年。そのアキラ少年に覗かれる隣人(=イカルス星人)も、窓を開けっぱなしにしたまま日がな一日謎の機械と向き合ったり頭を光らせたり死んだ鳥を空中に浮かせる怪奇現象を起こしたり、秘密裏に地球侵略の計画を進めているとは到底思えないような露骨に怪しい行動ばかりしているのですが。さらにこれを目撃したダンとキリヤマ隊長の

 「ここで、何かたいへんなことが起こっています! はっきりしたことはわかりませんが…」(ダン)
 「よし、調べてみろ!」(キリヤマ)

 という報告になってない報告と大雑把にも程がある指示にも笑わずにはいられません。

 とはいえ、ウルトラホーク1号の発進シークエンスをじっくりと見られるのはうれしいですし、円盤によるコンビナート破壊のシーンもさすがの迫力。四次元空間の描写も現代美術のような趣があって不可思議な空間の演出に十分成功していますし、技術が足りなければ独創性で補うという当時のスタッフの心意気が感じられます。イカルス星人との戦闘シーンも、異次元を利用する敵との戦いというだけあって、頻繁に天地が逆転するカメラワークがいつもとは違いますね。