本業のアースガロンの整備のほかにもSKaRDの仲間たちからの色々な頼まれごとをしていたせいで過労気味になっていたヤスノブは、さすがにこれではまずいと強制的に休みを取らされた。根っからのメカ好きであるヤスノブは、自宅の近くにあるコインランドリーの乾燥機に「クルル」と名付けて話しかけることで癒しを得ていたが、そこにふらりとカナン星人ハービーが現れ、恐るべき侵略計画を語り始める…。
ブレーザー初の侵略宇宙人登場回、さらに第1話からずっと新怪獣が登場してきてから初の過去作品からの登場ということで初が重なりましたが、その栄誉を担ったのは意外や意外、ウルトラセブンに登場した数々の宇宙人の中でもマイナーと言い切って間違いないであろう、カナン星人でした。なんともしぶいチョイスですねえ。何の前置きもなくさも当然のようにコインランドリーに入ってきて親しげにヤスノブに話しかけてきたハービーでしたが、こういう生活感溢れる空間にいきなり現れてフランクな態度で話しかけてくるあたり、メトロン星人やペロリンガ星人にも通じていて、ものすごくセブンらしい雰囲気でしたね。
世界中で機械の反乱を起こして人類を滅亡させる、という目的の方はスケールアップしていたものの、オーロラ光線を使った手口や、かつてウインダムを操ったように今度はアースガロンを操ろうとするあたり、基本的な手口はセブンの頃と変わりありませんでしたね。ウルトラセブンに登場した宇宙人というのは、事前にダンからウルトラアイを盗んで変身できなくさせたり、侵略兵器兼用心棒代わりの怪獣やロボットを用意したりと、セブン対策をしたうえで侵略に乗り出す奴が多かったのですが、そんな中でもカナン星人は例外であり、北極圏に灯台に偽装した基地を建ててコソコソと計画を進めていたところ、怪しんだダンが送り込んだウインダムを光線で狂わせて襲わせたものの、当然セブンには敵うはずもなく慌てて脱出しようとしたところをあえなくやられる、という末路をたどりました。今回もレヴィーラの件のあたりでアースガロンの力を見極め、ドルゴの件の時にオーロラ光線を照射済みと、アースガロンの乗っ取りに関しては用意周到にことを進めていましたが、なぜか今回もブレーザーに関しては全く対策を打っておらず、ヤスノブに拠点を突き止められた上にヤスノブの言葉で突如アースガロンが機能停止したことで完全に計画は破綻。今回は風力発電機に偽装した基地から計画を進めていましたが、竹トンボのようなかたちに変形させた基地で脱出を図ろうとしたところ、ブレーザーが捻りすぎてとんでもないことになるぐらい腰を捻って投げたスパイラルブレードが直撃して爆発四散。結果としてはほとんどセブンの時と似たり寄ったりのお粗末な末路をたどることに。セブンとは別宇宙の個体でしたが、どの宇宙でもカナン星人はウルトラマン対策が甘いんですかね…。
