BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ガンダムビルドファイターズトライ 第9話感想

 西東京地区予選決勝。今回が前半のクライマックスということになるのでしょうか。前回からの流れでギャン子を侮辱したヨミをスガが平手打ちして叱りつける場面がありましたけど、個人的にはこういうのはちょっとなぁ・・・。のちのちヨミはこのときのことを反省したうえで決勝戦に臨むわけですが、こうあからさまにキャラを下げてから持ち上げるというのをやられると、見ている側としては萎えるというか。戦いを前にして双方がいかに勝利に対する気持ちを高めていくかというのを描くのに尺がとられていましたけど、決勝戦ともなればどちらも負けられないのはいちいち説明されなくてもわかりきっているので、こちらとしてはその意気込みに相応しい激しいバトルを見せてくれさえすればそれでよかったんですけどね。Gガン風に言えば、「拳で語れ」ということです。

 そのバトルはというと、さすがに決勝だけあって気合が入っていましたね。チームGマスターのリーダーであるスドウがユウマのライトニングガンダムと相討ちになるという番狂わせから始まり、ウイニングガンダムが撃破されるもウイニングナックルでヨミとスガを撃破→かと思いきやVガンとGファイターが合体してナックルを撃破→ウイニングの機首パーツを接続し、ハイパーモード発動で再びヨミとスガを撃破→勝負あったかと思いきやスドウの百万式がまだ動く→ビルドバーニングを殴るも百万式の腕の方が砕けて試合終了、と、逆転に次ぐ逆転の展開で見せてくれました。スガのGファイターの中から発射されたアレ、一瞬ファングかと思いましたがよく見たらビグザムの爪ミサイルで笑いました。スレッガーのそっくりさんがビグザムの武器を使うとは。それを防いだセカイの技は、インファイトを得意とするシモンと盾による防御を得意とするギャン子の協力を得て編み出したものでしょうね。特訓シーンが描かれなかったのが残念。百万式のメガランチャー、当たらないことに定評のある原典のおかげで「どうせ当たらないんだろ」と高をくくっていましたが、ライトニングを半壊させただけとはいえちゃんと当たったことに驚きました。そして、プラモではあるのにいまだに使われていなかったビルドバーニングの赤いクリアパーツと炎のエフェクトパーツの出番がついにやってきました。完全にハイパーモードですね、あれ。半壊しつつも百万式が現れた時は、まだ動くのかよと思いましたが、結局は自壊して終了。やっぱり百式は大破して宇宙を漂う運命にあるのか。

 ここまで見てきて抱いた印象ですが、前作は登場人物たちが「勝ちたい」という気持ちと同じぐらい「ガンプラが好き」という思いを抱いているのが伝わってきたのですが、今作では「勝ちたい」という気持ちばっかりで、「お前ら本当にガンプラが好きなのか?」と問いかけたくなるんですよね。今回もスドウが勝つためにビルダーであることを捨てて他人にガンプラを作ってもらったことについて語っていましたし、そもそも主人公のセカイからして自分でガンプラを作っていないばかりかビルドバーニングを誰が作ったかさえ知りませんし(前作のレイジも自分で作っていないのは同じですけど、セイがどれだけ苦労してビルドストライクを作っているかはしっかりと理解していましたし)。前作でフェリーニがフェニーチェをボロボロにされながらも「俺がお前を作ったのは棚に飾って愛でるためじゃねぇ。俺の作ったガンプラが、ウイングガンダムフェニーチェが、一番強いんだと世界に向かって叫ぶためだ!」と独白する名場面がありましたけど、そういう「俺のガンプラが一番強い!」という子供じみてるけどガンプラを作ったことのある人間なら誰もが思わずにはいられない情熱がいまいち感じられず、ガンプラを道具にした単なる部活ものになってしまっているように見えるのが、ビルドファイターズトライの残念なところです。

 まぁそれはともかく、次回は水着&クマ回なので肩の力を抜いて見られそうです。