毎年恒例、仮面ライダーMOVIE大戦シリーズ最新作。本日から公開だったので早速見てまいりました。例によってネタバレを含みますので、未見の方はご注意を。
MOVIE大戦シリーズの例に漏れず今回の作品も現在活躍中のビルドとその前のエグゼイドとの共闘を描くことになるのですが、ビルドの場合ちょっと困った問題が。そう、ビルドの世界にはスカイウォールという厄介なものが存在するのです。もしビルドの舞台がエグゼイドまでのライダーと同じということにしてしまうと、エグゼイドまでのライダーはあれを全く無視したまま物語を進めていたという不自然極まりないことになってしまうので、そういう理由からビルドの世界はエグゼイドまでのライダーの世界とはパラレルワールドという設定に。そこから二つの並行世界の融合による消滅を狙う悪の科学者・最上魁星の暗躍を止めるため、ビルドやエグゼイドをはじめとする平成ライダーたちが共闘するという筋書きになっています。そのレジェンドたるライダーたちの豪華さが話題となっていましたが、それぞれのライダーの見どころを順番に見ていきましょう。
◆火野映司＆アンク：仮面ライダーオーズ
明日のパンツさえあれば生きていける男とアイス大好きなその相棒。見た目がTV放送時から全く変わっていないのが本当にすごい。実に久々の登場であるせいか、レジェンドライダーの中でも最も演出面で優遇されており、スポットライトを浴びる場面が訪れるたびに、オーズを見ていたファンを泣かせに来ます。特に終盤、他のライダーたちがコズミックステイツ、極アームズ、ムゲン魂と最強フォームになって戦う中、オーズはタジャドルになって戦うというのが（プトティラメダルが手元にないという事情があるとはいえ）、アンクと一緒になって戦っているこの姿こそがオーズの最強フォームなのだと改めて主張しているようで胸が熱くなりますね。
◆如月弦太朗：仮面ライダーフォーゼ
全ての仮面ライダーと友達になる男。中の人がすっかり押しも押されぬ人気俳優になったため、公開前は最も話題を呼びましたね。あのリーゼントも「宇宙キター！」も見るのはずいぶん久しぶりですが、あのころと全く変わらぬ弦ちゃんを演じられるのはやはりすごいです。「MOVIE大戦アルティメイタム」は彼にとってはこのあと起こる出来事なので、このあと彼はウィザードと共闘することになりますね。
◆葛葉紘汰：仮面ライダー鎧武
神になった男。今回も前作同様、地球の危機を察知して移住先の惑星から救援に駆けつける役回り。何気にすごいのは、彼が救援にやってきたのは本来の彼がいた世界＝エグゼイド世界ではなく、そのパラレルワールドにあたるビルド世界だということ。つまり、同じ地球であればパラレルワールドであっても助けに来られるというのが、やはりどこぞの自称神とは違う本物の神様たる本領発揮ですね。TV放送時の姿での彼を見るのも久しぶりですね。
◆天空寺タケル：仮面ライダーゴースト
命を未来につなぐ男。前作でエグゼイドと共闘しているので、レジェンドライダーの中では真っ先に登場。御成も一緒に登場しますが、意外なかたちで活躍していましたね。さすがに今回は死ぬ死ぬ詐欺はなし。最近発売された小説の内容通りなら、実は今回の戦いがムゲン魂を見られる最後の舞台なのですが・・・。
◆宝生永夢：仮面ライダーエグゼイド
天才ゲーマーにして医療の鬼。今回もCRのドクターたちとともに決して患者を見捨てない不屈のドクター魂を見せることに。「トゥルーエンディング」のラストでビルドにエグゼイドの成分を抽出されたところから物語が始まったのには驚きました。そして、神はやっぱり今回も平常運転でした。
◆桐生戦兎＆万丈龍我：仮面ライダービルド＆仮面ライダークローズ
自称天才物理学者と脱走犯コンビ。物語上のウェイトでいえば、仮面ライダーになってまだ日が浅く、ライダーとしての戦う理由を十分に身につけていない龍我が、それぞれの信念を胸に自分以外の誰かを助けるために戦うレジェンドライダーたちとの出会いにより成長していくことに重点が置かれていましたね。それに対して戦兎は、終盤でレジェンドたちが「世界中のダチを守るため」「二つの世界の命を未来につなぐため」と、それぞれの戦いを経て確立した「ライダーとして戦う理由」を語る場面の中で一人だけ「愛と平和のため」という妙に薄っぺらいことを言っていたのが気になりました。おそらくは戦兎もまた、龍我と同じく仮面ライダーとして戦う本当の理由を見つけられていないのでしょう。今回の作品では彼の正体についての重要な示唆が示されていますが、彼がその自分だけの戦う理由を見つけるのは、これから先の戦いを乗り越えた先になるのでしょうね。
平成ライダー二期を通して見てきた人ならば、観ないと後悔しそうな内容でしたね。特にオーズファンは必見と言っていいでしょう。
