BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

機界戦隊ゼンカイジャー 第10カイ! 感想

 街を散策中に何か作戦を始めようとしていたトジテンドのマヒルワルドに遭遇したゾックス一家。逃げるために人間を人質にとるマヒルワルドだったが、ゾックスはお構いなしに攻撃する。後から駆けつけてどうにか人質を救出した介人はゾックスのやり方に憤り、この世界に来た真意を問い質すために無理やり海賊船に乗り込むが…。

 

 ゾックス一家の戦う理由が明らかにされた回。動機としてはルパンレンジャーに近いものがありますけど、ルパンレンジャーではあえて描くことを避けていた、「目的のためになりふり構っていられないために、無関係の民間人を危険に晒す危険性」まで、ゾックス一家では踏み込んできたという感じですね。ただ、マジーヌも言っていた通り、ルパンレンジャーと違ってゾックスたちの抱えている問題は自業自得なわけですから、そのためになりふり構っていられないからといって無辜の市民に危険の及ぶ戦いをするのは容認しがたいですし、ましてやそれを容認したうえで自分たちがその被害を食い止めるという介人の考え方も、それは筋が違うと思うんですよね。家族のため、というのなら、被害を受けるかもしれない人々にもそれぞれに家族なり友達なり恋人なり、大切な人たちがいるわけで、それを無視して自分たち以外は知ったことかというのは、暴論以外の何物でもないでしょう。人には自分の幸福や利益を追求する権利がありますが、それは他人の幸福や権利、さらには命を無視してまで行使できるものではないはずです。それはヒーローであろうがなかろうが、人として守らなければならない最低限のラインのはず。多様な考え方を容認しているつもりかもしれませんが、いくらなんでもこれは筋が違うと思います。その筋違いを理解して考えを改めない限り、私は本質的なところでゾックスを好きになることはできないでしょうね。