BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン40話 感想

 ムラサメに襲われ、そのダメージで一時的に視力を失った翼。そんな彼を守って、自らを夏美と偽りムラサメからの逃避行をするソノニ。一方、運転免許を取りに教習所に通っていたはるかだったが、その運転の腕前は同乗する教官の首を尽くむち打ちにして「教官殺し」の異名をとるほどの殺人的な才能のなさだった。そんな彼女もどうにかこうにか、ついに路上教習の日を迎えることになったのだが…。

 

 人間の愛について知りたいと望んできたソノニ。いよいよ彼女のその探求も最終段階に至ったと感じさせる、ソノニと翼の逃避行。その一方で、こいつに免許を与えるのはほぼ殺人幇助ではないかと思うぐらい壊滅的なはるかの殺人自動車教習。まるでトーンの違う二つの物語が同時進行していく様は、すでにこの番組を40話見ていてもなんだこれはと困惑するほかなく、ましてやその先がどうなるかなんて予想などできるはずもなかったのですが…翼とソノニがいよいよムラサメに追い詰められたその時、はるかの車がムラサメを撥ね飛ばすって、そんなかたちで二つの物語を交錯させる奴があるか。いつもながらこの脚本家の正気を疑いたくなりますけど、今回に至ってはもはや仮にクスリをやってたとしても到底こんな話思いつけないだろうという領域に至っていましたね。教官がヒトツ鬼となり、さらに猫の獣人まで乱入した混戦の末、獣人を斬った翼の所有となることを決めたムラサメ。そんな彼に、「獣人の夏美を倒せば本当の夏美が帰ってくる」と伝えるソノニ…。今回で彼女はようやく知りたかった人の愛のなんたるかを知ったわけですが、愛を知ったならば次は当然その愛を自分のものにしたくなる…というわけですか。本当に恐ろしい話を書くなこの人は…。

仮面ライダーギーツ 第14話感想

 デザグラ第2シーズンが始まってから、隠されていた謎が次々に明らかになってきていますが、英寿がゲームに参加し続ける理由である彼の母について、「ミツメ」という名前と、ツムリの前任のナビゲーターであることが判明。デザグラ関係者であることはなんとなく予想はしていましたが、ツムリの前任者だったとは。また、デザグラは祢音の父やウィンの祖父ら、財閥や企業からの出資を受けていることが判明。出資を受けているということが判明してなんだか急に現実的な話になってきましたけど、スポンサーたちが出資の見返りに受けている利益とは何なのでしょうか。

 

 そして、今回もゲームマスターは無能でしたねえ…。ウィンに脱落後の記憶の保護を条件に英寿もろとも脱落させるという考え自体はまぁよかったのですが、なんでそれを反故にするかなぁ…。んなことしたら裏切られるに決まってるじゃないですか。あえてドライバーを道長に取らせることで運営とつながっているウィンから情報を引き出すというリスクの高い賭けに出て見事成功した英寿と比べると、雲泥の差ですね。で、案の定ウィンが英寿についたことで、とうとう自ら姿を現して仮面ライダーグレアに変身し直接介入に踏み切らざるをえなくなったゲームマスター。反則的な能力で圧倒し、なんと英寿を脱落させることに成功はしましたけど、新ライダーのはずなのにゲームマスターの無能のせいで変身せざるを得なくなったという、なんとも不名誉というか最初から格の低い感じの登場になってしまったのが残念…。

ウルトラマンデッカー 第21話感想

 新エネルギー源であるSプラズマ増殖炉を開発している施設でスフィア反応が観測され、調査に訪れたカナタとリュウモン。しかし、その未知のエネルギーにはとんでもない秘密が隠されており、それが大きな危機を招くことに…。

 

 スフィアを利用した新エネルギー開発…もう詳細を聞くまでもなくやめとけやめとけと言うしかないものでしたが、案の定暴走しスフィアジオモスが登場。アガムスが現れ耳の痛いことを言ってきましたが、今回ばかりはおっしゃるとおりでと言うしかないですね。ただ、バズド星にスフィアが現れたのは地球人が宇宙進出したせいだというのは、あいつら遅かれ早かれ宇宙進出しそうな種族のところには現れるだろ、そもそもそれはお前の来た未来の話であってまだこっちでは起こってもない話でキレられても。アガムスの言葉に動揺してカナタがデッカーに変身できない危機の中、現れたのは…ウルトラマンダイナ! いやぁ、まさかここで助けに来てくれるとは。トリガーの時はキリエロイドの登場がわかった時点でティガももしかしてという予感がありましたけど、今回は本当に予想外の登場でした。何がいいって、いきなりダイナとして現れはしたけれど、ウルトラフォークを使ったり、帰り際にサムズアップしたり、まぎれもなくアスカなのだとわかるポイントをいくつも入れてくれたのがうれしかったですね。特に、スフィアジオモスのバリアを破るため、ソルジェント光線を撃ちながら自ら距離を詰めていくところが、歴戦の戦士らしい戦い慣れた判断とアスカらしい無鉄砲さを両立していたのが最高でした。今回は終始ダイナの姿でしたけど、いつかはアスカの姿で再び我々の前に現れてくれる日は来るのでしょうか…。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン39話 感想

 マスターの留守中に喫茶どんぶらの店内の大掃除をしていたところ、金庫を発見したはるかたち。はるか、真一、雉野の誕生日を合わせて暗証番号に入力したところ、なんと金庫は開いてしまい、中には「押すな」と書かれた謎のスイッチが。よせばいいのにジロウがそれを押すと、空の彼方からタロウそっくりのアンドロイドが飛来してタロウを襲撃、圧倒的な強さを見せる。アンドロイドの正体は、ドンブラザーズが使命を忘れて暴走した時のためのカウンターとして、ドン家が科学の粋を凝らして作り上げた抹殺兵器「ドン・キラー」だった…。

 

 突如として訪れるドンブラザーズ壊滅の危機。まぁいつも通り胡乱な経緯なのは間違いないのですが、それにしたってこんな経緯でタロウすら手も足も出ない敵が現れてマジでドンブラザースが壊滅の危機に立たされるとは、いくらなんでも胡乱すぎるでしょう。どうすんだこんな奴…と思っていたら、解決の仕方もまた胡乱なものでした。実家に帰省したジロウが仏壇に置いてあった謎のスイッチを押したら、ドン・キラーが暴走した時のために作られていたドン・キラー・キラーが飛来。ドン・キラーと戦いながら宇宙空間へと去っていき、2体の戦いは未来永劫続くだろう…というオチ。いや、オチてないですね、これ。何が酷いって、ここまで大騒ぎしたのに物語の本筋とは1ミリも関係ないのが…。

 

 まぁそれよりも驚愕すべきは、今回もやはりラストですよ。今まで存在は語られながらも、どんな奴なのかはまったく明らかにされてこなかったペンギンの獣人…まさか、お前だったのか…!?

仮面ライダーギーツ 第13話感想

 ギーツを脱落させるべく、いよいよなりふり構わなくなってきたゲームマスター。こうも運営の秘密に迫られたくないということは、よほど探られては痛い腹でも抱えてるということでしょうね。しかし、ジャマトを育てている謎の男は全然言うことを聞いてくれないし、ギーツを脱落させるべく仕掛けた「椅子取りゲーム」でも、これまた別の謎の男の介入によって脱落どころか英寿の手に新しいバックルが渡りパワーアップしてしまうという体たらく。こんなに何一つ思い通りにならないのでは、もうこの人をゲームマスターとは呼べないのでは…。

ウルトラマンデッカー 第20話感想

 かつては海辺の漁村だったワダツミシティで、建設作業員が正体不明の怪物に襲われる事件が続発。調査に赴いたイチカとカイザキ副隊長は、そこで村の言い伝えに詳しい老婆から「らごんさま」なる存在について聞かされるが…。

 

 ウルトラQの「海底原人ラゴン」で初登場後、ウルトラマンでは巨大化した姿で登場し、その後長い間音沙汰のなかったものの、ギンガでの登場を皮切りにニュージェネ以降のウルトラシリーズでは出番が増えるようになったという変遷をたどってきたラゴン。今回はかつて海辺の漁村だった街にラゴンが現れるという、原典であるウルトラQの「海底原人ラゴン」を彷彿とさせる背景を下敷きに、異界から来る「マレビト」の一種としてラゴンを描くという、諸星大二郎の「闇の客人」を彷彿とさせ伝奇的な描き方をしていて、ラゴンという怪獣をまた新しく見せるこういう手があったのだなと驚きました。こういう物語の本筋とは関係のない、一話で完結しているSF短編のような話こそがウルトラシリーズに多様性と奥深さを与えてきたのであり、今回はそれを久しぶりに味わえたような気持ちになりました。かつてのような4クールの制作体制であれば、こういう話をもっとたくさん見ることができるのでしょうけれどね…。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン38話 感想

 獣人の森から生還したものの、どうやって戻ってきたかは覚えていない翼。警察には報告したものの、翼に成り代わっていた獣人がやらかした件でまた指名手配に…って、あの獣人がやったことって、いきなり肉を貪り食って、いきなり店の厨房で料理作って客に食わせて、そのあと皿を持って外を走り回った、というものだったのですが、一体どういう罪状で指名手配ということになるんでしょう、これ。威力業務妨害は間違いないとして、ひょっとしたら暴行にもなるかもしれませんけど、それで指名手配になるのかなあ…。そうこうして逃げ回っていた翼を見つけた雉野は、翼を警察に売って得た報奨金で、翼を含めたみんなをレストランに誘う…って、どういう神経してるんだこいつ…。

 

 そしてレストランにやってきたドンブラザーズの一同でしたが、当然こいつらが行儀よく食事などできるはずもなく、しょうもない口論で騒いだ末にシェフからボロクソに叱られる羽目に。「そこまで言われる筋合いはない」と抗議する翼ですが、いや、そこまで言われる筋合いがあるぐらいひどかったぞ。これをきっかけに翼とシェフは井上敏樹名物料理対決をすることに。奇しくも双方ともにオムレツで勝負を挑むことになり、そのための材料となる最高の卵を求めて真一と雉野が鉢合わせ、さらになぜかソノイまで現れ残り一個の卵を変身してまで奪い合った結果、見事卵は割れてしまい、当然養鶏場のおじさんに怒鳴られる3人。ヒーローと敵幹部が一緒に土下座する姿なんて、おそらくこの先二度と見られるもんじゃないでしょうね…。

 

 仏のようなおじさんの厚意でどうにか卵を手に入れた双方はついに料理対決の日を迎えるも、審査員を担当していた料理評論家は既にヒトツ鬼となっており、翼とシェフを吸い込んでしまう。吸い込まれた先は異次元空間になっていて、そこにはほかにも吸い込まれた人たちがいて、空腹を訴える彼らのために何か料理を作ってやろうとする翼。そこで見つけたのは、木になっていた謎の果実。青く塗られていますが、その形状は間違いなく、かつてとある仮面ライダーで一年間見慣れたあの実…! やめろ、食うとバケモノになるぞと阿鼻叫喚する視聴者の声など届くはずもなく、ドンブラザーズがヒトツ鬼を倒して戻ってきた翼はその実を使って料理を振舞うのでした。

 

 果たしてあの実がほんとに大丈夫だったのかわからないまま、ラストは再び家で人形に語りかけるヤバすぎる雉野のシーンに。しかしその声に、「みほ」が姿を現す…。いやもう、怖い怖い。2週連続トンチキな話をホラーで落とさないでくださいよ。