BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

怪奇大作戦 ミステリーファイル 闇に蠢く美少女

 深夜、一人の少女が「とおりゃんせ」を歌いながら街を彷徨うといううわさが流れ、島田刑事も公園でブランコをこぐ少女を目撃。不思議なことにその少女は20年前、人気絶頂の最中に心臓をえぐり取られるという凄惨な最期を遂げた子役タレントとうり二つだった。さらに、その少女に噛まれた人間が溶解するという事件が続発。20年前の事件に鑑識官として参加しながら事件を解決することができなかった的矢所長は、20年前の事件の調べ直しとともにこの事件の捜査にあたるが・・・。

 こ、怖かった・・・。旧作で強いて近い話を挙げるとするなら「吸血地獄」でしょうか。「吸血地獄」自体は怪奇大作戦の中でもあまり記憶に残らない話ですけど、構成要素を変えることでここまで話を怖ろしく、哀しくできるとは。「吸血地獄」は科学的要素がまったく絡まない話なので怪奇大作戦の作品としては私の中では評価が低いのですが、今回の話はクローン技術を絡めることで、科学技術の絡む犯罪を捜査するという怪奇大作戦の基本テーマをしっかり守っていたのもよかったですね。なぜ彼女たちは「とおりゃんせ」を歌っていたのか、記憶までは引き継げないはずのクローンが「お兄ちゃん」と口にしたのはなぜか。細かいところはいろいろつつけますけど、怖かったので不問です。

 闇の中で同じ姿をした少女たちが「とおりゃんせ」を歌っていたり、倉庫の中からぞろぞろ出てくるところも怖かったのですが、一番恐ろしかったのはクローンたちを産むのに○を使っていたところですね。妖怪「くだん」ともイメージが重なるところがあります。こういう生理的嫌悪感はどうしようもありませんけど、考えてみればこの先IPS細胞を使って人体のパーツを量産できるようになったとしたら、やってることは大して変りないんですよね・・・。