BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の仮面ライダーエグゼイド 第36話感想

 正宗がより多くの命をゲームに取り込むためことを目論み開催を宣言した「クロノス限定クエスト」。期間限定の特別クエストというのが如何にも最新のソシャゲらしいですが、実際のところはクリア不能の詐欺イベント。多くの犠牲者が出る前に、永夢たちはその阻止に向けて動きだしますが・・・。

 クロノス攻略のカギとして黎斗が新たに用意したのは、ハイパームテキガシャット。使用すれば敵のあらゆる攻撃を受け付けなくなるというクロノスに負けず劣らずのチート能力ですが、本来使用を想定していた永夢はなぜかこのガシャットが使えず、代わりに使用した黎斗は発動はできたものの使用時間に制限があり、しかも得意げに能力を説明している間にその貴重な制限時間を使い切ってしまい、クロノスのポーズであっさりやられたうえにガシャットを奪われるという何ともアホらしい流れで一気にピンチに。復活してからさらに笑いに磨きがかかってきた社長ですが、ここにきてアホにまでなりつつありますね。

 永夢がハイパームテキガシャットを使えなかった原因は、以前パラドをリプログラミングしたことで永夢が「天才ゲーマーM」としての力を失っていたこと。これを打開するため、永夢はパラドに共闘を持ちかけるのですが・・・いやぁ、ここからの流れはよかったですね。当初の説明とは異なり、パラドを自らの体に取り込む永夢。そして報酬としてハイパームテキガシャットを正宗から受け取った瞬間に彼を裏切り、永夢にガシャットを渡す貴利矢。全ては貴利矢がわざと悪党を演じていることを知った永夢が彼とともに作り上げた計略。いやはや、これでこそ九条貴利矢。おなじみの「あれ? 乗せられちゃった?」が滅茶苦茶かっこよかったですね。また、貴利矢が演技をしていることを見抜いただけで、あとは何の打ち合わせもなしにパラドをも乗せる計略を組み上げた永夢も、互いへの信頼があったればこそですね。最高の演出でこのコンビが復活したことがうれしいです。

 そして、永夢が変身したことでついにその本来の力を発揮したムテキゲーマー。歴代ライダーの最強フォームの中でも群を抜く金ぴかぶり。もしかしなくても、デザインモチーフは取ると無敵になるあの星ですね。そして無敵の制限時間もなく、完全にクロノスのアドバンテージを奪うことで、ついに初めてクロノスに土をつけることに成功。こうして見ると、ムテキゲーマーはその派手な外見に反して、攻撃の完全無効化以外に特殊な能力や武器は持たず、キックやパンチといった仮面ライダーの基本に立ち返るようなオーソドックスな戦い方をするのが特徴ですね。クロノスも設定上はポーズを抜きにしても反則級の能力をいろいろ持っているはずなんですが・・・。

 クロノス攻略クエストを中止に追いやり、正宗から取り返したプロトガシャットを手土産にCRへと参加する貴利矢。当然かつて自分を殺した黎斗と揉めそうになりますが、自分の遺したリプログラミング技術で永夢が始末をつけてくれたのでおあいこ、黎斗を許したわけではなく黎斗を許した永夢の判断を信じているだけ、と彼らしい手打ちの仕方をするのがこれまたかっこいいですね。対する黎斗も全く悪びれることなく「許しを請うつもりはない」と笑いながら返すのがこちらもぶれるところがなくいいやりとりです。一方、初の敗北を喫した正宗は小姫を人質にとり、タドルレガシーのガシャットを使いこなし永夢を殺すよう脅迫。一回やられただけでずいぶん余裕が失せましたが、このぶんだとクロノスとの決着もそう遠くはなさそうです。しかしそれを果たしてもパラドやグラファイトとの決着もつけねばなりませんし、いまだその全貌を見せないゲムデウスも控えているので、まだまだ先は長そうですね。