BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週のウルトラマンジード 第20話感想

 倒しても倒しても、毎日午前10時になると復活するギエロン星獣が登場。ギエロン星獣といえば「ウルトラセブン」において地球防衛軍の新兵器R1号の実験により母星を爆破され、復讐のために地球に襲来したことでファンにはあまりにも有名な、ジャミラと並ぶ悲劇の怪獣。ちなみにセブンでの登場回の監督は鈴木俊継監督でしたが、今回はなぜか実相寺監督風の演出がなされていましたね。セブンではその再生能力すら、超兵器の実験によって備わってしまった「死なない」というより「死ねない」体という悲劇的なものとして描かれていましたが、今回はそれとは打って変わって倒しても倒しても毎日同じ時間になると復活してしまう怪獣への対応に苦労するリクたちをどこかコミカルに描いた作品となりました。セブンの時のように喉笛を掻き切って殺すのは今のご時世では無理だろうなとは思っていましたが、「破片を凍らせられると気化による再生ができなくなる」という設定を新たに付与したうえで、市民に破片の回収を協力させることでジードに対する市民の信頼が確固たるものになりつつあるのを描いたのはよかったですね。物語としてはこの回の怪獣は再生能力をもつ怪獣であればライブキングでもコスモリキッドでもなんでもよかったはずですが、あえてギエロン星獣を登場させたのは、この怪獣にあまりにも強く染みついた「悲劇の怪獣」というイメージから離れてみようという意図もあったのでしょうか。