BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーセイバー 第1章 感想

 いろいろと物議を醸しつつもゼロワンの物語は幕を閉じ、今週からは令和ライダー第2弾である仮面ライダーセイバーがスタート。例年のごとくワクワクしながら第1話を迎えたわけですが、端的に感想を述べるなら、「王道」ですね。記憶を失った主人公と繰り返し見る夢。異世界への転移。危機の訪れの中、炎の中に現れた剣を手に取った主人公は、仮面ライダーへと変身して華麗に怪人を打ち倒す…。まさに絵に描いたような王道ファンタジーの流れ。ただ、面白いのには違いはないのですが、意外性には乏しいと言わざるを得ませんね。ゼロワンが第1話からいきなり腹筋崩壊太郎なんていう飛び道具を持ち出してきたので余計にそう思えるのですが。主人公の飛羽真も、子ども好きで子どもからも好かれ、自由と天衣無縫そのもののようなヒロインの芽依の性格も肯定し、何より作家なのに締め切りをちゃんと守る!(ここが一番ネットで驚かれてたあたり、つくづく作家というのはいい加減な奴らばかりと思われてるらしい…)…という具合に、あまりにも非の打ちどころがなさすぎて逆に主役ライダーっぽくありません。まぁ太宰治みたいなクズだったり、谷崎潤一郎みたいな変態だったりしたらそれはそれで困るのですが、文豪という設定ならもっとクセのある奴でもいいんじゃないかとは思います。ただ、妙に「約束」にこだわるというのは気になるところなので、そこはこれから今は見えない一面が見えてくるのでしょうけれど。

 

 個人的には、2号ライダーである倫太郎の方に興味を引かれましたね。目の前で起こる出来事全てに目をまんまるにして驚く百点満点のリアクション。「無理だ! 普通のホモサピエンスには聖剣は抜けない!」という面白すぎる言い回し。終いには青いライオンに乗って飛羽真と芽依の前に現れドヤ顔で第1話を締めくくる。いやもう、第1話からここまで「こいつ絶対面白い奴だ!」と思わせたキャラがかつていたでしょうか。単に面白だけでなく、リアクション役や解説役としても縦横無尽に活躍してくれることでしょう。たとえここから物語がどう展開しようとも、倫太郎を観察するだけでも一年間この番組を見続ける価値はあるのではないかとさえ、私は確信しております。制作発表の段階でむやみやたらにライダーが出てくることが明らかになっているので、またカブトの頃あたりのライダー過多により物語が散漫なものになる問題が再来するのではないかという懸念はあるのですが、なにはともあれ、また1年見守っていきます。