BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンブレーザー 第18話感想

 地中から蛇のような首だけを出して現れた怪獣イルーゴ。破壊活動はせずじっとしているだけだが、その口からは有毒なガスを絶えず吐き出し、周囲の環境を汚染し続ける。SKaRDが司令部からイルーゴについての調査を止められたことから、イルーゴが第三の宇宙怪獣である可能性をにらみ、エミは第66実験施設で父の研究仲間だった西崎という男に接触を図るが…。

 

 地中から蛇のような首だけを出し、暴れはせずにひたすら毒ガスのみを吐き続けるという異色の怪獣イルーゴ。実はイルーゴはきれいな空気が苦手であり、毒ガスを吐くのは周囲を自分の生存に適した環境に作り替える一種のテラフォーミングであることが判明。もしイルーゴが第3の宇宙怪獣だとしたら、バザンガはただ暴れていただけでしたが、EMPとハッキングによって文明社会を破壊するゲバルガに続き、いよいよ環境を変化させるレベルの攻撃へと発展してきたことになりますね。防衛隊の自走レーザー砲によるイルーゴの切断作戦が失敗に終わり、SKaRDはヤスノブ発案の大量のフィルターを搭載して巨大な空気清浄機と化したアースガロンで空気の清浄化を行いイルーゴの大幅弱体化を狙う作戦を実行。ところが、途中まで順調に行っていた作戦は、なんとイルーゴがゲバルガに似た姿に変貌、さらに地中から第2のイルーゴが出現したことで一転して窮地に。ゲント隊長はブレーザーに変身してアースガロン救出を試みるも、さらに新たに出現したイルーゴに巻き付けれこちらもピンチに。しかしそこでEGOISSが「ブレーザーのチルソナイトソードは電気を操れる」ということを指摘したことで、チルソナイトソードで真空放電を行いプラズマを発生させてガスを浄化するという作戦をテルアキ副隊長がブレーザーに伝えこれを実行。防衛チームが戦闘中に急遽ウルトラマンに作戦への協力を求めるというシチュエーションはこれまでの作品で幾度となくありましたが、少なくとも公的にはブレーザーについて正体不明の存在として慎重な立場をとってきたSKaRD(特にゲント隊長にブレーザーについての意見を求めるなどこの立ち位置についてかねてから気にかけていた副隊長)がこうした行動をとるというのは、SKaRDとブレーザーとの関係性が深化したと見ることができてよいですね。作戦の狙い通り、プラズマによる空気浄化でイルーゴの群れは一気に弱体化。ブレーザーが2体を斬り伏せる一方で、アースガロンもアースガンをイルーゴの口に突っ込んでの零距離射撃で仕留め、ようやくの単独での怪獣撃破を遂げたのでありました。

 

 一方、ゲント隊長はこの作戦中に巻き込まれたTVクルーを救助した時にその様子がニュースに映ってしまい、SKaRDであることはともかく前線で戦ってることは家族にバレてしまうことに。まぁ奥さんは前から薄々気づいていたようですし、結果として家族関係の改善にもつながったのでよかったですが。というか、頻繁に前線に出る立場なんですから、施設課なんかじゃなくてもっといつでも忙しくなっても言い訳が立ちそうな部署だと偽っておけばよかったのに…。