BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマントリガー 第10話感想

 ナースデッセイ号では、街の地下に存在を確認したものの動く気配のない怪獣の監視を続けていた。そんなとき、下校中のユナにダーゴンが近づいてくるが、なぜか様子がおかしく…。

 

 以前ユナに強烈なビンタを喰らって以来、なにか様子がおかしかったダーゴン。これはまさか、ひょっとして…と思っていたら、やっぱり恋に落ちちゃってました。初めて自らの内に沸き起こる未知の感情に戸惑い、ユナの姿を遠くからこっそり目で追うダーゴン。これが男子に初恋しながらも告白する勇気が出せず見ていることしかできないうら若き乙女とかなら微笑ましいのですが、ゴツいなりをした闇の巨人がそんな乙女ムーヴをしているのですから、笑うなという方が無理があります。さらに、それを偶然目撃したイグニスが面白がってちょっかいを出してきたもんだから、さらにややこしいことに。「人は恋を重ねて強くなる」なんて言っちゃったものですから、「強くなる」というフレーズに元々の脳筋を刺激され食いついてしまうダーゴン。というかイグニス、同じ闇の巨人でもヒュドラム以外にはわだかまりとかないんですかね。かくしてイグニスから恋の手ほどきを受け(実際にどんな手ほどきをしたのか描かれてないので多分に怪しいのですが)、いざユナにアタックするダーゴン。しかし悲しいかな、壁ドンすれば突っ張りに、バックハグをすればチョークスリーパーに、頭をなでようとしたらベアクローに、という具合に、繰り出す恋のテクニックがことごとく格闘技と化してしまう脳筋巨人。当然ユナには襲われているようにしか思われておらず、終いには例のスタンガンをお見舞いされてしまう。早速役に立ってよかった…というより、あんな最悪なセンスのプレゼントをちゃんと持ち歩いてたユナがいい子過ぎる。そうこうしているうちにケンゴとアキトも駆けつけ、思うようにいかずに地団駄を踏むダーゴン。するとそれがきっかけで、地中で眠っていたザラガスが目覚めてしまうことに…。

 

 街を破壊し、迎撃にやってきたガッツファルコンを地中からの急襲で退けたザラガスは、続いてトリガーと交戦。有利な戦いを展開しますが、攻撃を受けてその特徴である変身を遂げるとさらに狂暴化してトリガーを追い詰めることに。しかしパワータイプに変身し、アキトたちの援護を受けたトリガーによって、ついに倒されるのでした。

 

 そんな戦いの最中も逃げずにトリガーを援護し続けたユナとアキトの姿に、再び人間の強さについて認識を改めるダーゴン。そして、勝手にアキトを恋のライバル認定をするとそのまま去っていくのでした。勝手に恋に悩み、勝手にアプローチし、勝手に恋敵にライバル宣言して去っていく。迷惑すぎるけど面白すぎる奴です。というか、どんどんライトサイドの方に進んでるように見えるんですが、この番組はダーゴンをどこに連れて行こうとしてるんでしょうかね。

機界戦隊ゼンカイジャー 第28カイ! 感想

 介人たちがバカンストピアで美都子を捜している間に、こちらの世界ではマンガワルドが出現し、人々をマンガの原稿に変えていってしまう。カッタナーとリッキーもマンガに変えられた上に人質に取られ、さらに助けようとしたジュランとマジーヌもマンガに。マンガワルドがマンガを集めていたことに着目した介人たちは、マンガを使ってマンガワルドをおびき寄せ、マンガにされた人たちを助けようとするが…。

 

 今回も例によってカオスな回。普通マンガにされたら何もできないはずなんですが、介人たちときたらマンガにされても普通に変身したり戦ったり、さらには名乗りまでキメてしまう始末。なんならいつもより強かったかもしれません。ステイシーもこんなふざけた状態の敵相手にいつも通り真面目に戦えるって、クソ真面目さが筋金入りですね。しかしマンガワルド、一番読みたいマンガトピアのマンガは、自分に使われているトジルギアにマンガトピアが封印されてるので読めないというのが、なんともジレンマに囚われていて気の毒な怪人でしたね…。

仮面ライダーリバイス 第3話 感想

 友人とショッピング中にデッドマンズの襲撃に巻き込まれたさくら。駆けつけた一輝がデッドマンズと戦うが、その混乱のさなかにさくらたちが誘拐犯に連れ去られてしまう。誘拐犯が立てこもる倉庫を突き止めた一輝は、大二と協力して彼女たちを救出しようとするが…。

 

 いやぁ、まだ3話だというのに見ていて不穏に感じることばかりですね。まずあの親父。本来一番働かなければいけないはずの三児の父が、動画投稿サイトで一攫千金を夢見てろくに働いてない時点で言語道断なんですが、再開発のための銭湯立ち退きの書類にあんなに簡単に判を押そうとするって、何を考えてるんだか。「お前の父ちゃんやべえよな」というバイスの反応はもっともですが、やはりバイスの言葉は一輝の本音と受け取るべきなんでしょう。そう考えると同じくバイスの「家族ってそんなに大事?」という言葉からは、一輝が普段見せている家族が一番大事という思いとはまた違う感情を内側に抱えているように思えます。また、大二は大二で、兄のことは間違いなく尊敬しているでしょうが、その兄が偶発的とはいえ自分が活躍すべきフィールドに入り込んできたことで、結果的に自分の活躍の場を奪われ思うように働くことができないことに苛立ちを抱えている。表面上は仲良し一家の五十嵐家ですが、一皮むけばその下にはそれぞれが抱えている鬱積した感情が、ふつふつとその温度を高めているのではないか…そう思わずにはいられません。

 

 そう考えると、仮面ライダーでは極めて珍しい「主人公の家族がみな健在」という設定が、極めて不穏なものに思えてきます。ものすごく怖い想像なのですが、もしかするとこの設定、「家庭崩壊」を描くための前提なのでは…。なにしろこの現代では、毒親やヤングケアラーなど、家族の存在が害や重荷となって個人の人生に深刻な問題をもたらすケースが顕在化しつつあり、戦前戦後を通じて核家族化を経てもなお貫かれてきた「家族は一緒にいるべき」という価値観が絶対のものではなくなりつつあります。家族を題材として作られてきた数々の映画やドラマにおいては、円満な家庭を描くものと双璧を成すものとして崩壊する家庭が描かれてきたことは説明するまでもありませんが、もしこの番組が子供向け番組においてはなお絶対のものとして描かれてきた家族神話についてまで踏み込むものであるならば、これはとてつもない衝撃をもたらすことになるのではないでしょうか。まだ3話の時点でここまで想像を膨らませるのはいささか勇み足かもしれませんが、少なくともこの番組、スーパー戦隊では過去にいくつかあったような、家族が力を合わせて危機を乗り越えていくようなものにはならないでしょう。

ウルトラマントリガー 第9話感想

 自らの中に眠るユザレの存在に気付き始め、思い悩むユナ。そんな彼女の誕生が近づく中、シズマ会長はある決意をもってナースデッセイ号を訪れるが…。

 

 石化怪獣ガーゴルゴンが久々に登場。しかし、自ら人語をしゃべってみせた初登場の時とは異なり、言葉もしゃべらずカルミラの言うことを聞くだけの完全なるパシリという扱い。3000万年前にはカルミラの命令でユザレを石に変え連れ去ろうとしたところ、ユザレのバリアで石化光線を跳ね返され自らが石化。もうこのやられ方もお約束になってますけど、これまでで一番呆気ないやられ方ですね。で、現代になって再び甦らされ、今度はユナを襲うものの、石化光線はやっぱりユナの中のユザレによって跳ね返される。さすがに学習していたのか今度は跳ね返された光線をかわして石化は免れたものの、考えてみればガーゴルゴンにユザレを連れ去るという任務は遂行不可能であることは3000万年前にわかっているのに、何故カルミラは再び甦らせたのか。もしかすると、単にユザレの覚醒を促すための当て馬として送り込んだのかもしれませんが。トリガー相手にはそれなりに健闘したものの、シズマ会長が遠隔操縦するガッツウイングの援護が入り形勢逆転。ガッツウイングの翼に石化光線を命中させるも、完全に石化する前に目玉を狙撃されて光線を封じられ、その隙を突いたトリガーの必殺技によって倒されたのでした。

 

 しかし今回は、シズマ会長が明かした真実の方がインパクトが大きかったですね。シズマ会長、やっぱりネオフロンティアスペースから来た人間でしたか。普通だったら突拍子もない話ですが、ハルキたちがやってきたことが前例となって受け入れる素地ができあがっていたのが丁寧ですね。もともとネオフロンティアスペースからは他の宇宙に飛び出していった人が何人かいますし。シズマ会長はあちらの宇宙のいつ頃の時間軸からこちらにやってきたかは、ガッツウイングが現役であった事などから、少なくともダイナやスーパーGUTSが活躍するよりは前なのは確実でしょうが、あちらの闇の巨人について言及しなかったことから見るに、FINAL ODESSEYよりも前なのかもしれません。また、あちらの宇宙でユザレの存在を知っていたのはダイゴとイルマ隊長だけだったので、あちらの宇宙にもユザレがいたこともおそらくは知らないのでしょう。シズマ会長がこちらの宇宙にやってきたこと自体は偶発的な出来事でしょうが、ユザレの存在、石造の姿で眠っていたウルトラマン、闇の巨人の存在と、こちらの宇宙とあちらの宇宙とは符合した要素が存在することは事実。果たしてこれは偶然なのか、それとも…。

機界戦隊ゼンカイジャー 第27カイ! 感想

 美都子博士がトジテンドから逃げ出したことを知った介人は懸命に彼女を捜すが、見つからない。別の世界へ逃げた可能性を考え、介人たちはゾックスに頼んで異世界を巡りながら彼女を捜そうとするが…。

 

 これまでワルドを生み出すもととして使われ、ワルドがゼンカイジャーに倒されることによってトジルギアから解放されてきた様々な異世界。中には「どんな世界なんだよ…」と想像するのも難しいトンチキな異世界もありましたが、それらの一部がついに明らかに。最初に訪れたのが、トンチキ具合で言ったらトップクラスであろうカシワモチトピア。そこら中に柏餅の店があるのはもちろん、柏餅の自動販売機があって「あったか~い」と「つめた~い」があったり、空には羽の生えた柏餅が群れを成して飛んでいたり、想像以上のカオスな世界。おまけに住人たちはみな柏餅を模した衣服を身に着けてて、これをつけてないジュランはさながら全裸で街を歩いてる人のごとく変質者扱いされる始末。いやもう、平和ですけど狂気の世界でしょまぎれもなく。これに比べたら続いて訪れたレトロトピアやコオリトピアは全然まともなのですが、コオリトピアでステイシーたちと遭遇した介人たちは、当然トジテンドも美都子を捜すためあちこちの異世界に向かい暴れていることを知る。そこで介人は、一計を案じることに…。

 

 キノコトピアで美都子を発見した介人たち。ステイシーやほかの世界にいたクダックたちもキノコトピアに集結するが、介人たちはそれを一掃。追撃してきたブラックジュラガオーンも、落下した先のコオリトピアで雪崩に巻き込んで身動きをとれなくしたところで、ゼンカイジュウオーの一斉射撃で撃破。バトルシーザーロボといいブラックジュラガオーンといい、ロボを出すたび2度目で撃破されるのを繰り返してて、トジテンドの財政は大丈夫なんですかね…。

 

 さて、無事美都子を元の世界に連れ帰った介人たちでしたが、それは魔法で変身していたマジーヌ。ほかの世界を巻き込まないための、介人が立てた作戦でした。世界を守りながら美都子を捜す決意を固めた介人でしたが、異世界にはゴミトピアみたいに不衛生そうな世界や、始終殴り合ってるだろうボクシングトピアみたいな物騒な世界もあるので、そんなところに行ってないか、美都子が心配になりますね…。

仮面ライダーリバイス 第2話 感想

 一度はリバイスドライバーを突き返した一輝だったが、再びデッドマンズが現れたため、戦うことを余儀なくされる。デッドマンは倒したものの、その際にまたバイスが人間を襲おうとしたうえに、居合わせたゴルファーに悪魔を解放するようにそそのかしたことで、またデッドマンが現れてしまう。それに対し、一輝がとった行動は…。

 

 今回もバイスの油断のならなさがよくわかる話でしたね。過去にもモモタロスとかアンクとか、人外の相棒と組むライダーはいましたけど、バイスの油断のならなさは比べ物になりません。龍騎の契約モンスターだって、よほど長いこと食わせてやらない限りは勝手に人間を喰おうとはしなかったというのに。そんなバイスに対して、自分が死ねばバイスも死ぬという一蓮托生を逆手に取り、変身せずにデッドマンズに挑むことで己の命を危険に晒し、言うことを聞くことを要求するという捨て身の手に出る一輝。いやもう、2話目でこれですか…。こうでもしなければバイスを縛ることはできないというのと同時に、一輝もまた躊躇なくこういう手に打って出ることができてしまう人間だということを示してますからね。最終決戦の直前になるまで契約を交わすことのなかった良太郎とモモタロスの関係性の対極みたいな関係です。これは今後も見ててヒヤヒヤするのは必至ですね。そして、こんな奴を内に飼ってる一輝の内面はどんなことになっているのか…。

ウルトラマントリガー 第8話感想

 突如として街で電子機器が次々に暴走する事件が発生。異変はついにナースデッセイ号にまで及び、コントロールが奪われてしまう。ケンゴたちは必死に解決に当たるが…。

 

 毎度おなじみ、ダダ登場…かと思いきや、いつものダダではない。なんと27年ぶりにパワードダダの登場です。この何の脈絡もない突然の復活劇には、ウルトラファンならみな驚いたはず。パワードの時はコンピュータから現れ実体化のために人間から炭素を奪う、ほとんどホラー映画のモンスターみたいな恐怖描写が前面に出されていましたが、あの頃とは比較にならないぐらい情報技術が社会に浸透した現在では、生きたコンピュータウィルスとしての脅威の方が前面に押し出されたように思えました。とはいえ、元々の顔の不気味さと、人間らしい言葉を一言も発さない怖さは健在でしたね。現れた理由もわからないし、最終的に本当に退治できたのかさえわからないというのも、まさにパワードダダらしかったです。

 

 そして、ゼット客演回もこれで終わり。ただ、キングジョーを破壊しなければならなかったのは、ちょっと見ていて複雑でしたね。それにしてもベリアロク、やっぱり次元を移動する力あったんですね。あんななりなのにゼロと同じ力を持ってるって…。

 

 意外だったのは、今回の件でルナが自分の中のユザレの存在に気づいてしまうというところでしたね。まぁあれだけ狙われまくってれば、おかしいと思わない方がおかしいのですが。来週はストーリー上でもかなり重要な回になりそうですね。