BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の仮面ライダー鎧武 第43話感想

 自らもオーバーロードと化し、世界を破壊するために動き出す戒斗。瀕死の状態から回復した紘汰がそれを止めるために迎え撃つ。やはり最終的に雌雄を決するのはこの2人・・・なのですが、どうもいまひとつ盛り上がれないんですよね、私。同じような構図は龍騎の真司と蓮にもあったわけですが、真司には戦いを止めたいという願いがあって、蓮には蓮で昏睡状態の恋人を目覚めさせたいという願いがあって、戦う両者それぞれに共感できる願いがあったからこそ、その二人が戦うことに痛みを感じられたわけです(しかも最終的にこの二人は決着をつけることなく真司の方が最終回を前に先に死んでしまうという展開が今でも衝撃的なのですが)。しかし紘汰と戒斗の場合、思想的に真司に近い紘汰はともかくとして、戒斗は本人も言っている通り悪の魔王そのものですからね。弱肉強食を掲げる彼が世界を滅ぼした先に作ろうとしている世界(そもそも弱肉強食とかいうよりは単に考えることが嫌いなだけなんじゃないかという脳筋ぶりを晒してきた彼が、世界を滅ぼした後の世界づくりについて明確なビジョンを持っているのかさえ怪しいものですが)が今よりもいいものになるとは到底考えられませんし、耀子のように特異な価値観を持ってでもいなければ、これでは蓮のように共感することは無理というものです。紘汰も紘汰で、力さえあれば今すぐにでも世界をぶち壊してやると戒斗が息巻いてきたところは散々見てきたわけですから、その力を戒斗が手に入れた今彼がああなるのは自明だというのに、最初うだうだと躊躇していたのがじれったく見えてしまいました。

 そんな中で思わぬところでキラリと光りそうなのはザック。戒斗の方についた時にはがっかりしましたが、実は彼には彼で何か思うところがあるようで、これにはワクワクしています。ところで、ほとんどの人が忘れていると思いますけど、兄さん本当にあれで出番終わりなんですかね・・・。