BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士 感想

 特撮ヒーロー映画強行日程、ライダーに続いて次はウルトラマン

 物語はいきなり遊星ジュランでのウルトラマンコスモスと超時空魔神エタルガーの戦いからスタート。エタルガーとの戦いに敗れたコスモスは謎の女戦士アレーナの持つ魔鏡の力によって封印されてしまい、その後ウルトラマンゼロが駆け付けるも、エタルガーとアレーナは拠点である時空城とともに別の並行宇宙へ転移。

 一方、ダークルギエルとの決戦から一年後の雫が丘。海外での一年間の研修を終えたヒカルが再建なったUPGの基地に戻ると、そこには隊長やアリサ、ゴウキだけでなく、隊長にスカウトされて隊員見習いとなったサクヤ、そして友也がデータから復活させたアンドロイドワンゼロことマナまでが新たな仲間となっていた。新たな仲間を加え、ヒカルの帰還を祝うパーティを始めようとするUPGの面々。しかしそこに突如時空城が降臨し、ギンガとビクトリーを封印しようとするアレーナが襲いかかる。そして、封印される直前にコスモスと分離したムサシ、時空城を追ってやってきたゼロの力を借りて、封印されたウルトラマンたちを救出するための作戦が始まる・・・。

 封印されていたウルトラマンの復活後は、時空城のてっぺんにいるエタルガーを目指しながら、各階で待ち受ける各作品の強敵相手に因縁のあるウルトラマンがそれぞれ相手をしていくという死亡遊戯のような展開になるほどと思いました。各ウルトラマンの戦闘シーンでそれぞれの戦闘テーマが流れるところも盛り上がりました。エタルガーがレプリカとして出現させるのはダークルギエル、ファイブキング、ダークメフィスト、エンペラ星人、ウルトラマンベリアルと、ラスボスかそれに準ずる役回りを務めた強敵ばかりなのですが、なぜかマックスの相手をするのはなぜかスラン星人。完全生命体イフや魔デウスは無理としても、ダークバルタンとかもっと相応しい相手がいるでしょうに。というか、なぜメビウス以降のウルトラマンはバルタン星人にろくな出番を与えないのでしょう。私の知らない何か大人の事情でもあるんでしょうか。

 そして今回初登場となるギンガとビクトリーが合体したウルトラ戦士、その名もギンガビクトリー。そのまんまなネーミングですが、ただでさえチートのような強さをもつギンガとビクトリーが合体するのですから、その強さたるや推して知るべし。ビクトリーのウルトランスやシェパードンセイバーがそのまま使えるだけでなく、さらにゼロがウルトラマンキングから預かって来たというウルトラフュージョンブレスの力で、歴代平成ウルトラマンの力まで使えるというすごさ。ゼロと互角に渡り合うほどのエタルガーも、さすがにこんな奴相手にはかなうはずがありませんでした。ちなみにギンガビクトリーへの変身を会得する際にゼロがヒカルとショウに課した特訓も、普通の人間なら間違いなく死ぬレベル。父親であるセブンがレオに課した特訓の数々も本気で殺しにかかってるとしか思えないものでしたが、血は争えないということでしょうか。

 ライダーよりも圧倒的に短い約1時間という上映時間の中で、無駄な要素は徹底的に省いて特撮ヒーロー本来の娯楽性を最優先に作られた、ウルトラマンらしい映画。そしてその短い映画の中でも女性の太ももへのこだわりは決して忘れない坂本監督。今回はヒカルとショウの特訓シーンで、新たなファン層の獲得まで狙っているようにも見えましたが(笑)。エタルガーの目的などは詳しくは描かれませんでしたが、おそらくは全並行宇宙の支配か何かを企んでいて、記憶を操作したアレーナを利用して邪魔になるウルトラマンたちを封印しようとした、といったところでしょうね。短いなりによくまとまった映画でしたが、ギンガの映画はみんな短いので、いつかは一時間半ぐらいの映画が見てみたいところです。