BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週のウルトラマンジード 第25話(最終回)感想

 ピンチに陥ったゼロの救援のため、ベリアルに戦いを挑むもののロイヤルメガマスターでも歯が立たないジード。そこへウルトラの父が救援に駆けつけ、フィールドを展開して自らとともにベリアルを閉じ込め、ジードとゼロを脱出させて態勢を立て直すための時間を稼ぐことに。そしてついにジードとベリアル、因縁の親子の最終対決の時が訪れる・・・。

 これまでの登場と同じように、今回もクリスマス時期に地球へ降り立つこととなったウルトラの父。ベリアルが父のことを彼の本名である「ケン」と呼ぶあたり、かつては二人が戦友だったという設定をちゃんと描きましたね。リクが再び変身できるようになるまでの間、フィールドを展開しつつベリアルと取っ組み合ったまま耐え続け、リクが再びジードに変身した時もいまだカラータイマーは点滅していなかったというあたりが、全ウルトラ戦士の頂点に立つ戦士たる父のすさまじさを見せていましたね。

 一方、リクと同じくしてケイとの因縁に決着をつけようとしていたライハ。その結末は、やはりケイの命が限界を迎える方が先でした。いまわの際、最後までベリアルにすがるケイの最期を看取るケイ。自らの写し鏡とも言えたアリエの姿を見てもなお、結局彼は最後までベリアルの犬のままで終わってしまいましたね。

 そして迎えた、ジードとベリアルの決戦。なおも圧倒的な強さを見せるベリアルに対しあきらめることのないジードの心が奇跡を呼び、全ての変身形態が一堂に会することに。ゼガンの作りだした異空間に場を移し戦う中で、これまでのベリアルの記憶を垣間見るジード。それを知り、ジードが抱き寄せたベリアルの体から零ブラッド星人の怨念が抜けだし、その果てに必殺光線をぶつけあう二人。断末魔の叫びでこれまで「息子」としか呼ばなかったジードの名を初めて呼んだベリアルでしたが、果たしてそれは、いかなる感情からほとばしったものだったのか。

 こうして戦いは終わり、この世界に平和が戻りました。ウルトラの父と、姿を取り戻したウルトラマンキングに、ともに「若きウルトラマン」として称賛されるリク。物語の最後は「ジーごっこ」で遊ぶ子供を見るめるリクの姿で終わりましたが、ベリアルの道具として生み出された「紛い物のウルトラマン」だった少年がドンシャインという架空のヒーローに憧れ、やがて仲間に支えられながら自分を生みだした父を超え、ウルトラマンキングウルトラの父にも認められる「本物のウルトラマン」となり、今度は自らが子供たちの憧れになるという、一人のヒーローが生まれるまでの物語を見事に描き切ってくれた物語でした。