BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

SSSS.GRIDMAN 第8話感想

 学園祭が迫る裕太たちの学校。相変わらず表面上はいつもの日常のように見えますが、以前は誰からも認識されていなかったキャリバーたちが普通に認識されるようになったり、以前は無気力だった担任が文化祭の開催に向けて積極的に働きかけるようになったりと、少しずつ変化が生じている様子。可能性としては、アカネがグリッドマンとの戦いに気を取られて「街の調整」が疎かになった結果変化が生じているか、何度もグリッドマンと怪獣との戦いの後での街の修復と調整を繰り返す中で少しずつデータコピー時のエラーのようなものが積み重なって変化が生じているのか、といったところでしょうか。変化と言えば、アンチの行動にも変化が現れてきていますね。こちらはアレクシスに始末されそうになってもう行き場がないというのもあるのでしょうけれど、今回は初めてグリッドマンと怪獣との戦いに乱入しませんでしたね。一方、アンチの電話番号(?)を手に入れて、悪役が悪だくみしているようにしか見えない笑みを浮かべるキャリバー。何を考えているかわからない一方で仕事はきっちりとこなす彼なので、どんなことになるのか楽しみです。

 作った怪獣をわざわざ学校へ持ってきて、文化祭の日に暴れさせると堂々と裕太たちに宣戦布告するアカネ。文化祭をつぶすのにも怪獣という大雑把極まりない方法でしかできないというのは、神様というにはあまりにも不自由すぎますね。祐太たちはそれをやめさせようと説得しますが、当然アカネは聞く耳持たず。このへんの言葉は通じるのに話が全く通じない不気味さは、とても同じ地球人としてのメンタリティを持っているようには思えません。ルーブのサキの方がまだ話が通じそうな気がします。アカネへの対応を巡って口論になる将と六花ですが、これはグリッドマンの言う通りどっちも正しくて、アレクシスも倒さなきゃならないしアカネもどうにかしなきゃいけないという、両方やらねばならないというだけの話ですね。当然より難しいのはアカネの方。そもそもどうにかするといってもどうなれば正解なのか。仮に彼女を改心させたとしても、そのまま一介の女子高生である彼女に街の神様をやり続けてもらうのはどうかと思いますし、神様としての役割を放棄させたとしたら街やそこに住む人達がどうなるのかがわからない。ゲームでいえばクリア条件すらわからない状況が、この期に及んでも続いていますね。

 そしてやってきた学園祭当日。祐太は前日に六花の言った「こっちから先に謝る」という言葉にヒントを得て、アカネが怪獣を出すよりも前にグリッドマンに変身して学校に現れ、人々を避難させるという奇策に打って出ることに。敵の先手を打つというのは戦術の基本ですが、「ヒーローは怪獣の後に現れるもの」という特撮ファンには無意識レベルで刻み込まれている常識の裏を突く見事な作戦でしたね。さらに、以前はフリーズして失敗したアシストウェポン全機出撃を、グリッドマンを含めデータ容量を抑えることで実現。ついに特撮版でいうところのサンダーグリッドマンであるフルパワーグリッドマンに合体しましたが、合体シーンは勇者ロボのグレート合体だし、必殺技はグレートマイトガインのグレート動輪剣そのものだしで、これまで以上に勇者ロボでしたね。ただ、これでグリッドマン同盟の方は手持ちのカードを使い切ったことになるので、今後も繰り出されるであろうより強力な怪獣にどう対抗するかが心配です。特撮版ではさらなるアシストウェポンとしてドラゴニックキャノン、キングジェットが登場しましたが、こちらでもそれに相当するアシストウェポンの出番はあるのでしょうか。